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■ 特集「設備設計/管理 最新ITレポート」 | |||||||||
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第9回「インターネットによるISO認証取得コンサルティング」 | |||||||||
![]() 代表取締役社長 諏訪 隆雄 氏 |
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「設備設計/管理 最新ITレポート」の第9回は、「インターネットによるISO認証取得コンサルティング」をテーマに、アイエスオー・ウェブ・コンサルティング(株)代表取締役社長の諏訪隆雄氏にお話を伺った。
同社は、Webを活用してISOの認証取得をコンサルティングする事業会社で、清水建設(株)が同社を企画し、事業への参画と出資を呼びかけた結果、大手建設会社、大手電機通信メーカー、保証会社、認証機関、金融機関など10社が賛同し、今年の2月1日に設立された。 5月までに、環境マネジメントシステム(ISO14001)構築のためのWebシステムが完成し、同時に本格的なサービスを開始した。 今回のインタビューでは、同社の設立の経緯やサービスの概略、今後の予定や展望などについてお伺いした。 インタビューを通して、建設業の新しい協調の方向性が見えてきた。 |
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【会社設立の経緯】 | |||||||||
Q:
まず、御社の設立の経緯についてお伺いできますか? |
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『ITの急速な普及と社会のグローバル化などにより、いま日本は時代の転換期を迎えています。このような時代の変化の中で、建設業もいままでのように建設工事を中心とした事業だけを行っていく時代ではないと思います。これから建設工事が減り、建設市場が縮小しようとしている時代の大きな変化の中で、建設業も“どのように生き残り、またどのように社会貢献を果たすか"を真摯に考えた事業展開を図ることが必要です。そこで、環境への貢献と、中小規模の建設会社に対する貢献を目指して、当社を設立しました。
具体的には、環境の世紀といわれる21世紀に、大手建設会社が培ってきたノウハウを活かして、環境に関する国際規格であるISO14001の取得認証を促進するとともに、環境に関する技術あるいはノウハウの業界全体への普及を目指して当社を設立したのです。 我が国の年間の産業廃棄物量は約4億トンといわれています。このうちの約20%が建設業から排出されています。建設業は環境に非常に関わりの深い産業なのです。建設業は約60万社という膨大な数の会社を擁する産業ですから、この環境問題には一部の大手だけでなく、建設業界が一体となって取り組まなければ意味がありません。しかし、地場産業である建設業は、海外との関わりが低いため、ISO14001への取り組みが、他産業に比べ少し遅れております。そこで、中小建設業のISO取得認証、特に14001の取得認証を支援するコンサルティングを行うことにしたのです。』 |
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【今後必須となる建設業のISO14001の認証取得】 | |||||||||
Q:
建設業のISO14001の認証取得数は、現在どれくらいなのですか? |
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『建設業界では、ISO9000シリーズの認証取得については、すでに5,000を超える企業や事業所が取得していますが、ISO14001の認証取得数はまだ550事業所程度です。 |
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【ISO取得認証コストは通常の約半分】 | |||||||||
Q:
「中小規模の建設会社に対する貢献」は、どのように果たされるのですか? |
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『中小建設会社がISOの認証取得を目指す場合、最大のネックになるのが取得に要する費用です。ISOのコンサルティング会社は数多くありますが、そのコンサルティングの費用は、通常500〜600万円掛かるといわれています。 |
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【リモートコンサルティングによる低コストの実現】 | |||||||||
Q:
実際のコンサルティングの流れを具体的に伺えますか? |
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『当社のコンサルティングシステムは、環境マネジメントシステム(EMS)の標準モデルをWebを通して提供し、顧客がそれを取り出して、自社に合わせたシステムを構築していくものです。その間に、サイトコンサルティング(現地でのコンサルティング)とリモートコンサルティング(インターネットを通じて行うコンサルティング)を効率よく組み合わせていきます。 具体的には、最初に訪問してヒアリングを行い、ISO取得のための体制づくりや、宣言文、スケジュール作成などに関するコンサルティングをします。その後リモート(インターネットを通じて)で体制図、宣言文、スケジュールなどの作成に関するコンサルティングおよびチェックを行います。 次に、現地に訪問し、顧客のISO推進担当者に対して、環境側面の抽出・評価・特定や、環境マネジメントプログラムの作成などに必要な知識、技法をレクチャします。この際に、推進担当者にWeb操作の説明と演習を行います。その後、リモートで顧客の環境側面の抽出・評価・特定の作業並びにレビューに関するコンサルティングおよびチェックをWeb上で行います。 以後の流れも、現地訪問とリモートを繰り返して、コンサルティングおよびチェックを行っていくというものです。 その間、顧客が作成した文書や帳票類は当社のIDC(インターネットデータセンター)にその都度アップロードすることにより、顧客と当社のコンサルタントが距離に関係なく、常に最新の情報を共有化することができるという仕組みになっています。 通常のコンサルティング会社の場合、20〜30回もの現地訪問をしていますが、いまご説明しましたように、現地訪問とリモートを繰り返し、現地訪問回数を最小限に抑えることによって、248万円という低料金が実現できるのです。』
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【重要なのは自社の業務に即したシステムの構築】 | |||||||||
Q:
顧客の推進担当者には、どれくらいのコンピュータ・リテラシーが必要なのですか? |
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『環境マネジメントシステム(EMS)の標準モデルの文書や帳票類は、ExcelとWordで作成しておりますので、ソフトの操作は簡単です。ExcelとWordを普通に使えるレベルで、大丈夫です。』
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Q:
文書や帳票類は、顧客が自分でつくるのですか? |
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『そうです。当社のWeb上にEMSの標準モデルを用意しておりますので、これを自社に合わせたかたちにして、顧客自ら文書や帳票類を作成していきます。もちろん、作成のポイントは当社のコンサルタントがコンサルティングします。
これは大変重要なことなのです。ISO9000シリーズの登録証を飾っているだけで、使いこなせていない会社があるということを、よく耳にしますが、それは自社の実際の業務に即したシステムになっていないからです。それではISOを取得した意味がありません。これからは、取得=実践が求められるのです。従って、規格に対する理解を深めると同時に、自社の実際の業務に即したシステムを構築するために、顧客自らが文書や帳票類を作成し、システムを構築していくことが重要なのです。』 |
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【現状とクライアントの反応】 | |||||||||
Q:
現状とクライアントの反応について伺えますか? |
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『当社は2月1日に設立しましたが、主要ツールとなるWebシステムや、中小企業向けの環境マネジメントシステム構築のための標準モデルの開発が5月までに完了し、6月中旬から本格的なコンサルティングサービスを開始したところです。まだ本格的なスタートをしたばかりですが、問い合わせは200件近くに達しており、そのうち約50件は具体的な引き合いです。契約している企業はすでに10件ほどあります。
ISO9000シリーズの問い合わせも多く、こちらの方は秋まで待って頂いている状態です。
まだ本格的な広告宣伝活動を行っていない中で、これだけの引き合いを頂いておりますので、確かな手応えを掴んでいます。
問い合わせは、建設業だけでなく、ビル管理会社など関連業界にも及んでいます。地域的には、遠方からの問い合わせが多いです。最初の問い合わせは、離島の会社からでした。
現在契約している顧客の年間売上規模は、数億円から100億円と幅広い規模となっております。
顧客の反応としては、「このようなコンサルティングサービスを待っていた」という声が非常に多いですね。建設業のほとんどは、ISO認証取得のコンサルティングをコンサル会社に頼むとどれくらいの費用が掛かるか、だいたいわかっているようです。それで、このような歓迎の声が多いのです。』
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【今後の目標とISO認証取得のアドバイス】 | |||||||||
Q:
最後に、今後の予定と目標、そして、ISO認証取得しようという企業へのアドバイスを伺えますか? |
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『今年の9月からはISO9000シリーズのコンサルティングを開始し、来年からは労働安全衛生のコンサルティングを始める計画です。 そして、建設現場では、日常業務として品質・環境・安全を別々には管理していませんから、品質・環境・労働安全衛生(OHSAS)を統合したシステムを構築したいと考えています。品質・環境・OHSASの規格の各項目は照らし合わせて見ると共通項がかなりありますので、システムの統合化をしていきたいと考えています。統合できれば、品質・環境・OHSASを1つ1つ取得するよりも、当然手間もコストも軽くなります。システムの統合化は、今後の大きな流れになっていくと思います。 それから、ISO認証取得しようという企業へのアドバイスですが、ISOの認証は、入札を優位にするためだけに取得するのではなく、会社のプラスにするためのシステム構築と運用をすべきです。これからは、取得=実践が求められます。従って、それができるコンサルティング会社とめぐり合うことが重要です。そして、ISO規格を正しく理解して、自社の向上のために実践して頂きたいと思います。』 アイエスオー・ウェブ・コンサルティング株式会社のURL |
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