特集 / FILDER現場レポート ■

FILDERで一層の生産性向上を実現

新菖工業株式会社

  新菖工業株式会社
 工事部 部長谷  功 氏
 工事部 技術課 課長齋藤和俊 氏
 工事部 技術課小林克己 氏


● FILDER導入の経緯


− 現在の稼働状況 −
'91年にダイキンのAUTO-HASを導入して以来、CAD化を進め、'98年に配管、ダクトを手書き感覚で作図できる利点に着目し、FILDERを3台導入した。ダイキンのAUTO-HASやJW-CADも使用していたが、業務の効率化を図るため、CADソフトをFILDERに統一し、 現在11台が稼働している。

− FILDER増設の背景 −
FILDERを増設したのは技術者が増えたこともあるが、建築、電気、設備など相互の連携を円滑、迅速に行うにはCADが不可欠になっており、そうした時代の潮流に対応していかなければならない背景があった。また、自分からFILDER導入を希望するなど、多くの技術者がCAD図面化に主体的に取り組んでいることも大きな要因になっている。

− 技術者1人1台のCAD環境を実現 −
今は現場技術者がCADソフトなしで作図することが通用しなくなってきている。業務改善、生産性向上の促進にはCADソフト1人1台の環境整備は必須で、当社では建築設備で技術者1人1台のCAD環境をすでに実現しており、他部門の技術者もFILDERの利用者が増えている。今後CALS対応が進むと、ますますCADソフトによる作図が当たり前の状況になると思う。


● 操作・習得について


若い技術者のなかには、ゲーム感覚でFILDERを覚え、時間の経過に気がつかないほど集中して取り組んだり、パソコンでマンガの絵を書くのと同じ感覚で図面を書けるので、すぐ使えるようになったという者もいる。そうした技術者だと簡単な設計図であれば1週間ほどで描けるようになる。また、ずっとCADを敬遠していたベテランの技術者でも3ヵ月ほどで習得した。
5×6ボタンをはじめ、FILDERは誰でも簡単に使えるのが特長で、わからないことは社内でお互いに教えられる。


● FILDERの便利な機能群


・隠線処理機能
配管やダクトの上下関係を指示すれば、自動的に隠線処理ができる。複雑な施工図を書くのにたいへんに便利な機能だと思う。

・距離丸め機能
作図中に、芯からの距離などが図面通りにリアルタイムに表示されるので、正確な図面を書くのに最適。

・ファイル間コピー
複数の図面を同時に表示し、自由にカットアンドペーストができ、同じような現場であれば迅速、簡単に作図できる。

・サイジング機能
給排水の管径やダクト口径の計算機能で、作業時間短縮化の面で重要な役割を果たしている。例えば、ダクトの静圧計算書などは従来手計算で苦労していたが、FILDERでは作業があっという間に終わるので、助かっている。


● FILDER導入の効果


− 作業時間の短縮について −
修正のスピードが大幅に改善されたのは間違いない。ただ、作図全体の時間短縮は技術者がどのツールを使えばよいかを瞬時に判断できることが鍵になっており、技術者の習得度により差が出るので、今後とも全体のスキルアップを図っていきたい。

− 若手の活用 −
若手技術者は、手書きや汎用CADではなく最初からFILDERで作図している。一筆書きの要領で配管ルートをなぞれば複線作図ができるので、作図や図面修正がすぐできる分現場の納まりやとり合い、検討といった、技術者本来の仕事に十分時間がかけられる。若いうちから現場経験を豊富につむことで、若手の育成にも効果が大きいと思う。

− コスト削減の効果 −
外注に対するコストの削減効果は大きい。繁忙期になると外注に頼らざる得ないときもあるが、作図を外注に依存するのは、コストだけでなく技術者のスキルアップの面でも好ましくない。当社ではCADソフトで作図できる現場技術者を育てていきたいと考えているので、できるだけ外注に出さず社内で行うように努めている。


● IT化の今後の取り組み


− CALSやISOについて −
CALSが建築の生産体制に普及すると、既存の建築体制は抜本的に変わり、新たな時代に突入すると多くの人が予想している。建設業界がそうした新しい局面を迎えても、競争力の面で優位性を保つために、当社ではCALSを積極的に推進していく考えでいる。
また、ISO9001については2002年1月の認証取得を目標にし、ISO14001についてはその後に取得する計画でいる。品質、環境ともに国際標準の規格を目指している。

− 今後の展開 −
当社では10年前からCAD化に向けて着実に歩を固めてきており、FILDER はそのための中枢を担っている。 FILDERのさらなる増設を望む声は社内で多いので、状況に応じて導入していく方針でいる。 今後もFILDERを効果的に活用し現場技術者の技能向上に努め、一層の生産性向上を図っていきたい。


── 会社概要 ──
新菖工業株式会社
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  1. 建築設備の設計と施工
    空調設備 衛生設備 ガス設備 水道設備 土木工事
  2. 設備関連機器の販売

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