特集 / FILDER現場レポート ■

FILDERを使うようになって作業がスピーディになった

川崎設備工業株式会社 名古屋支店 工事部

川崎設備工業株式会社
名古屋支店 工事部
副部長古橋 良守 氏
課長代理戸田 敬一 氏
山内  憲 氏
小林めぐみ 氏


稼働状況について


CAD室では、5台のFILDERが稼働しており、個々にLANでつながっている。またプロッタ、スキャナにつながっているのはもちろんのこと、ファイルサーバを使い図面を一元的に管理できるようにしている。現場用にも5台のノートパソコンが稼働しており、図面データのやりとりをしている。将来的には現場のパソコンからもファイルサーバにアクセスできるようにし、さらに作業効率を向上させていきたいと考えている。


CAD室について


ここでは現場支援のため図面の下書きを作っている。現場技術者は工事が近づくと書類の作成や着工の準備で多忙となるので、本CAD室で急遽作らなくてはならない図面を作る。それを現場技術者に渡して(E-mail、FD)そこからの修正は現場で行う。
使用している年齢層は、我々50代が2人、20代が2人の構成となっている。全員が設備知識のある技術者で、建築図をみて、考えて施工図を描いている。


操作性について


− 手書きとの比較 −
大変楽になった。現在物件として学校を担当しているが、1階の教室と4階の教室が全く同じ場合は、手書きの時のように再度描いたり、トレーシングペーパーを使わないですみ、ただコピーするだけでできるので楽。あと修正による移動、機械室の配置等も手書きと比較すると大変楽になった。以前は修正になると紙をつぎはぎしながら作業していた。

− 他のソフトとの比較 −
以前はAUTO-HASのワークステーション版を使用していたが、FILDERを使うようになって作業がスピーディになった。具体的には入力装置が4ボタンタブレットから2ボタンマウスになったこと。たくさんあったコマンドのアイコンが、5×6ボタンに集約されたことかな。

− 5×6ボタン、ショートカットメニュー −
FILDERは5×6ボタンで全てできてしまう。後の作業は右クリックでできる。操作に関しては何も覚えることがないのでまさに教育レスだと思う。さらにその右クリックのショートカットメニューは大変便利である。いちいちコマンドを捜さなくてもよいし、早く作業できる。他のCADソフトでもショートカット機能はあるが、FILDERは選択した部材によって表示されるメニューの内容が変わるので自分が選択したものに対してどういう作業ができるのか把握できるので便利。

− 配管・ダクト連続作図機能 −
一筆書きの要領で作業できるので大変重宝している。また取り消しの操作をしなくても、自動作図でエルボ返しが簡単に入れることができるのは便利な機能だと思う。さらに高さを入力しておけば断面図も出せる。その高さの入力も連続作図でできるので手間にはならないしね。

− オペランド機能 −
オペランド機能も、わざわざ交点、端点のボタンを押さなくてよいので大変便利だと思う。この機能だけでAUTO-HASと比較して作業手数(クリック回数)が大幅に減ったと思う。


現場技術者が自ら図面を描くことの意義



現場技術者が自分で図面を全て描くことがベスト。そうすると現場が頭に入る、収まりも頭に入る、お客様との折衝もしやすい。今はこちらで下書きしたものを現場で手直しして作業を進めているので、外注の図面・CAD室で描いた図面を直接職工さんに渡していたときと比べて、図面の精度は向上していると思う。
また一番最初のCAD導入時は、専門オペレータに描かせることを前提にCADを導入したので、清書に近い施工図面を手書きで描いて渡さないと、CAD図面にならなかった。さらにそれを私がチェック->修正->現場でチェック->修正と、手間がかかりすぎ効率も悪かった。だから現場でCAD図面を描くことが一番だと思うし、FILDER導入によって効率も上がっている。


データ互換性について


昔は各種CADソフトのデータ互換性が低くて、各現場ごとにゼネコン、他専門業者に合わせてデータチェック用に汎用CADを導入したりしていたが、現在のFILDERなら一般的なDXFからJW-CAD、AUTO-CADのデータが読み込み、書き出しできるから問題ないね。


インターネット時間貸しの利用について


図面にもよるが、外注に出す場合一枚60,000円とすれば、インターネット利用だと一枚あたり7,000円程度(299円×8時間×3日)の使用料で済む。パソコン・周辺機器の諸経費を考えても安くあがると思う。社員の技術力の向上を考えても十分にお釣りがくると思う。今後検討したいと思う。


今後の導入予定について


社員全員がCADをもたないとなかなか相乗的なメリットが出ないと思うので、社員全員にノートパソコンを持たせ、FILDERも全員に持たせたいと考えている。


導入効果について


インターネット、電子メールの普及によって仕事のタイムリー性が一層要求されるようになり、現場ひいては図面の納期も厳しくなっているのが現状。だから残業は減ってはいないかな?(笑)でも、手書きのままだったら現在よりもっと残業時間は増えるだろうし、納期も守れないと思う。CADは手書きに比べ肉体的な負担が少ないので仕事に熱中して、気が付いたらこんな時間ということもあるけどね。
投資した金額に対しての効果を数値化するのは難しいが、建築・設備業界の各工程すべてがデジタルデータ化され、そのデータをやり取りする時代になれば一層のメリットがでると思うし、その時に(設備)CAD化の投資に踏み切ったのでは取り残されてしまう。今からの継続した投資は必要だと思う。今は、(情報化の時代の流れに乗って)先行投資して、CAD室と現場との分業のノウハウを蓄積している段階かな。
金額面でのメリットは算出しにくいが、手書きと違い図面がデジタルデータとして保存され作図も均質化できるので、途中から誰でも描くことができ、作図の分業ができるのは大きなメリット。CADの「美しい図面」なら忙しい現場での打ち合わせもスピィーディーになごやかに進むしね。


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