設備工事業の受注高3ヵ月ぶりの増加。平成17年4月分は前年同月比1.7%増
2005年7月7日
6月30日に国土交通省から「平成17年4月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成17年4月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,019億円で前年同月比1.7%増加となり、3ヵ月ぶりの増加となった。
発注者別に見ると、民間は1,813億円で前年同月比16.8%増と、3ヵ月ぶりの増加となった。
一方、官公庁は206億円で同19.3%減となり、20ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=964億円で前年同月比19.4%増(民間30.7%増、官公庁44.2%減)
管工事=865億円で同6.4%増(民間7.4%増、官公庁3.0%減)
計装工事=242億円で同1.8%増(民間2.2%減、官公庁13.1%増)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

日本設備設計事務所協会が建築設備の専門家を認定する「設備家」認定制度を開始
2005年7月7日
(社)日本設備設計事務所協会(日設協)は、同協会のCPD(継続能力開発)に登録している建築設備士で所定の条件を満たす者を「設備家」として認定する制度を創設した。設備家は、建築設備の専門家として、資質、能力、倫理性の維持向上に努めている建築設備設計者や関連技術者に付与する称号。
日設協では、本年4月より第1回の認定者の募集を行っており、その認定要件は、「建築設備士の有資格者であること」、「建築設備の設計やその関連業務で10年以上の実務経験があること」、「日設協にCPDの参加登録をしていること」、「協議会CPDの評価基準による単位を5年間で250単位以上取得したことの証明書を協議会から発行されていること」、「日設協主催の認定講習会(技術者倫理)を受講していること」の5項目となっている。また、募集開始からの3年間は、経過処置として別途定められた認定要件を満たし、かつ同協会に建築設備士CPD参加登録した場合にも、設備家としての認定が行われる。
現在、設備家を申請するのに必要な建築設備士のCPDは、日設協、空気調和・衛生工学会、建築設備技術者協会、電気設備学会、建築技術教育普及センターの5団体で設置した「建築設備士関係団体CPD協議会」で進められている。
設備家の認定取得に必要な費用は、認定手数料1万円と認定講習受講料1万5,000円の合計2万5,000円。
日設協では、10月に第1回の認定を行う予定で、経過措置期間に200人の認定を目指している。設備家の詳細と必要な各種申請資料等は日設協のHPに掲載されている。URLは次のとおり。
http://www.jieoa.or.jp/index.html

東京都が都有施設を対象とした、環境配慮整備指針と環境・コスト評価システムを構築
2005年7月7日
東京都は、都が保有する建築物の改築・改修の際に、資源やエネルギーを可能な限り抑え、環境負荷を少なくする取り組みとして、「地球温暖化防止に向けた都有施設環境配慮整備指針」を策定するとともに、この指針に対応し二酸化炭素の生涯排出量(LCCO2)などを算出・評価する「都有施設環境・コスト評価システム」を構築した。
同指針は「地球にやさしい施設づくり」、「地域にやさしい施設づくり」、「人にやさしい施設づくり」、「財政にやさしい施設づくり」の4点を基本理念に財務局建築保全部が策定したもの。国が進めている環境配慮型官庁施設の整備と同様に、建築物の計画から建設、運用、廃棄までを対象としているが、庁舎だけでなく都立の学校や病院といった都保有の建築物も、評価範囲に加えている。
コスト評価システムは、必要なデータを入力することにより、建築物のLCCO2やライフサイクルコスト(LCC)、イニシャルコストなどを算出・評価できるもの。あらかじめ入力されている平均的な施設のデータに加え、評価項目の一部は、日本サスティナブル・ビルディング・コンソーシアム(JSBC)が運用している「建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)」と連動しており、コストと環境配慮の関係などが検証できる仕組みになっている。
東京都では今後、代表的な都有施設を複数選んで同システムによる評価を実施。施設ごとの評価結果の違いなどを検証した上で、来年度以降、庁舎や学校、病院など幅広い公共建築物の改築・改修計画の立案に同システムを活用するほか、建物の品質、工事コスト、環境配慮対策の最適化を図っていくなど、本格的な運用をしていきたい考えだ。

電子入札コアシステムをベースにした電子入札システムが国際標準に制定
2005年7月29日
(財)日本建設情報総合センター(JACIC)と(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)が開発した電子入札コアシステムをベースに構築した電子入札システムが、国際標準(第1版)として制定された。
今回、国連・欧州経済委員会(UNECE)の下部組織UN/CEFACTが国際標準(第1版)として制定した電子入札システムは、日本国内で国土交通省をはじめ多くの公共工事発注機関が採用している電子入札コアシステムをベースに、各国の修正意見を取り入れ構築されたもの。
電子入札の国際標準は、2003年からUN/CEFACTの建設・建築分野グループにおいて、日本が幹事国となり検討が開始されており、国内でも、国土交通省や関係省庁で構成する電子入札国際標準化委員会を設けて対応を検討していた。
日本の提案した電子入札システムが国際標準として採用されたことにより、未導入国が新規に導入する場合、国際標準となった日本の電子入札システムを取り入れる可能性が高くなるほか、導入された場合には、日本企業が海外で行われる電子入札に応札しやすい環境を得ることになる。
今後は、日本側の提案により、業務(調査・設計)、物品、役務にも適用範囲を拡大する検討がされており、来年をめどに国際標準案(第2版)として制定される見込みだ。

関東地方整備局が総合評価落札方式の本年度運用に向けた本格的な準備を開始
2005年7月29日
関東地方整備局は、本年4月から施行されている、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(公共工事品確法)を受け、本年度から運用する総合評価落札方式に対する本格的な準備を開始した。
公共工事品確法は、「品質確保に関する基本理念および発注者責務の明確化」、「価格競争から価格と品質に総合的に優れた調達への転換」、「発注者をサポートする仕組みの明確化」がポイントとなっている。
なかでも建設工事は、近年の建設投資の減少による過当競争で、適切な技術力を持たない受注者のダンピングにより、不良工事の発生が懸念されることから、価格と価格以外の要素(技術力)を総合的に評価する総合評価の積極的な適用が求められている。
関東地方整備局は5月に局内の入札契約担当者による検討会を立ち上げ、昨年度の運用結果を検証するとともに、今後の方向性などの検討を開始しているが、「判定+数値タイプ」の定性的な総合評価による技術提案の形骸化への懸念や、数値タイプの定量的な総合評価の考案に苦慮する声があがっている。
今後、関東地方整備局では全工事発注額の3割に相当する工事に総合評価を適用する数値目標がある中、できるだけ客観的な説明のつく評価項目を設定していく方針だ。

前田建設がIE手法を活用した企画・提案システムを確立
2005年7月29日
前田建設はインダストリアル・エンジニアリング(IE)専用ソフトやCAD技術を活用した、IE手法を用いた企画・提案システムを確立した。
IE手法は、製造に関するさまざまなノウハウを論理的に体系化し、人・物・設備を総合したシステムの設計、改善、確立を実現するものとして、既存工場のライン変更などの業務改善に活用されてきた。
同社が構築したシステムは、IE手法と自社の3次元CAD技術などと組み合わせ、提案内容の高度化、計画・検証期間の短縮を図るもの。
具体的には、工場の製造量・在庫量、売り上げなどの現状を把握。必要な生産ラインや機器、保管スペースなどをIE分析する。次に、IE分析結果をもとに、時間軸を考慮した製造シミュレーションを行い、ライン上のボトルネック工程を発見、事前に問題点を抽出する。個々の工程の相関等を考慮し、建屋・プラントなどの施設を適切に配置する。
さらに、計画した施設が実際に稼動した際の不具合を検証するため、作業員やマテリアルハンドリング(原材料・製品・部材などの運搬・管理を効果的に行うための技術や方法)までを含め、3Dによる操業シミュレーションを行い、最適な施設計画の提案を行う。
前田建設では、昨年度から既設工場の増・改築、新設工場の企画・設計段階の提案営業ツールとしてIE手法を活用しており、今後は医薬品・食料品関連工場向けの提案営業を強化し、受注拡大を目指す考えだ。

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