設備工事業の受注高が2ヵ月ぶりの増加。平成18年2月分は前年同月比9.1%増
2006年5月11日
4月28日に国土交通省から「平成18年2月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成18年2月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,148億円で前年同月比9.1%増加となり、2ヵ月ぶりの増加となった。
発注者別に見ると、民間は1,957億円で前年同月比13.6%増と、2ヵ月ぶりの増加となった。
一方、官公庁は191億円で同22.3%減となり、3ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=989億円で前年同月比7.1%増(民間11.0%増、官公庁26.2%減)
管工事=1,034億円で同1.0%減(民間5.1%増、官公庁37.4%減)
計装工事=187億円で同8.9%増(民間24.1%増、官公庁31.4%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

三機工業が簡易省エネ診断システムの無償貸出しを開始
2006年5月11日
三機工業は、4月1日に施行された、改正省エネ法(エネルギー使用の合理化に関する法律)に対応するため、同社が独自に開発した、簡易に省エネルギー診断が可能な「モバイルBEMS」の顧客への無償貸出しを開始した。同システムを活用した消費エネルギーの実態把握や中長期計画の作成などの支援業務を展開する。
同社では、支援業務部隊として4月1日付で各支店、子会社を含めた16人で構成する「顧客省エネ支援チーム」を新設。モバイルBEMSで得られた情報と、同社が蓄積しているESCO事業や省エネ診断業務などの各種実績情報をもとに、中長期計画書や定期報告書の作成業務を支援する。
改正省エネ法では、一定規模以上の施設を対象に、施設オーナーにエネルギー使用状況届け書きや中長期計画の提出を求めている。ただ、これらの書類作成のベースとなる消費エネルギーの実態把握は、計測手段の未整備や人員不足などで困難な作業となっているのが現状だ。
同社が開発したモバイルBEMSは、簡易エネルギー管理システムが組み込まれたパソコンと、現場で各種の計測値を入力する携帯情報端末機(PDA)で構成される。まず管理員が日常点検や定期点検で確認した設備機器の計測値をPDAに入力。そのデータをシステムに転送し、点検記録を一元管理する。集積されたデータから年間エネルギー消費量を計算する仕組み。システムには評価機能もあり、「年間建物全体のエネルギー消費原単位」や「年間・月別の設備区分別エネルギー消費比率」、「年間・月別の熱源一時エネルギー」、「本日の建物全体の消費電力」などのBEMS評価の結果も分かりやすく表示される。機器の劣化の診断も可能で、メンテナンス時期なども通知する。
同社では、支援業務と同時に、省エネリニューアルの受注にもつなげる考えだ。

大成建設が企業の事業継続計画の策定支援システムを開発
2006年5月11日
大成建設は、企業の事業継続計画(BCP)の策定を支援するシステムを開発した。同システムは、2005年8月に内閣府より発表された「事業継続ガイドライン」に沿って各企業が策定するBCPについて、地震による施設の被害想定や事業継続目標に対応する施設の要求水準などを算定し、現状の改善策を提案するもの。BCPの策定支援から施設改修事業の受注につなげるのが狙いで、同システムの利用により、およそ1〜2週間で各企業のBCP策定が可能になるとしている。
同システムは、内閣府発表の「事業継続ガイドライン」に記載されている内容を、具体的かつ技術的に解釈し、記載すべき項目・内容・構成などを標準的に整備し、企業自らが作成すべき項目・内容を明らかにするもの。予想震度や液状化の可能性、施設の損失率、復旧日数などの最小限の入力項目で容易に算定できるプログラムを活用し、災害発生時に事業継続上で必要な事項を436項目にわたる機能確保性能チェックリストで検討する。
チェックリストは、ライフライン機能の確保や防災機能の確保、設備設置室の機能の確保という事業継続上のプライオリティに沿って施設と設備の事業継続性能に体系化したもので、企業の特性を考慮した提案を実現するとしている。
想定する地震を特定した上で、対象建物の所在地、建物の構造・階数・延べ床面積・建設年をノートパソコンに入力すると、想定地震時の対象地点の震度と液状化の可能性を予測する。この結果にもとづき事業の損失率や復旧日数が算出される。企業は重要業務と目標復旧時間、災害発生時の事業継続上の施設要求水準などの事項を決定するだけで簡易に予測が可能。
今回のシステムはオフィスビル向けのシステムで、今月中に医療施設用、夏には工場用のBCP策定支援システムが完成する予定だ。

国土交通省が2005年度の建設工事受注動態統計調査を公表。受注高は2年連続増加
2006年5月25日
国土交通省は2005年度の建設工事受注動態統計調査をまとめた。
2005年度の建設業者の受注高は、54兆9,280億円で対前年度比0.8%増加となり、2年連続の増加となった。
公共機関からの受注は落ち込みが続いているものの、民間受注分がプラスで推移したため、全体では2年連続で前年度を上回る結果となった。
受注者別に見ると、元請受注高は37兆5,252億円で対前年度比0.2%増、下請受注高は17兆4,028億円で同2.2%増となり、ともに2年連続の増加となった。元請受注高のうち公共機関からの受注高は11兆3,839億円で、対前年度比9.7%減少で、5年連続のマイナスとなった。しかし、民間等からの受注高は26兆1,414億円で、同5.3%増加し、3年連続のプラスと好調を維持した。
また、工事種類別に見ると、土木工事は、11兆6,075億円で対前年度比4.2%減、建築工事は、23兆3,077億円で同3.8%増、機械装置等工事は、2兆6,101億円で同8.7%減となった。
業種別の内訳では、総合工事業が、39兆6,363億円で対前年度比2.0%増、職別工事業が、4兆7,095億円で同0.8%減、設備工事業が、10兆5,823億円で、2.5%減となっている。
公共機関分の受注内訳では、地方機関からの受注が5年連続で減少しており、国の機関分も、2004年度は羽田空港の新滑走路建設工事が発注された影響からプラスとなっていたものの、2005年度はその反動減もあってマイナスに転じている。
民間分の受注内訳については、不動産業からの受注が5年連続で増加しており、1件5億円以上の建築・建築設備工事で見ても、不動産業からの住宅の受注が2兆5,223億円と最も多く、全体を底上げしている。

早稲田大学とゼネコンなどが建設資材の共同輸配送システムを開発
2006年5月25日
早稲田大学、大林組、竹中工務店、日立製作所、イー・クラッチの5者は、「建設資材の共同輸配送システム」を共同で開発した。
同システムは、マンションなどの高層建物を建設する現場への資材搬送と、資材が現場に搬送された後の揚重作業との時間調整をスムーズに行うシステム。資材メーカーの工場と建設現場の間に「ロジスティックセンター(LS)」と呼ばれる建設資材と物流情報を一元管理する共同輸配送センターを設置。LSを拠点に各メーカーの工場を巡回して資材の取引を行い、必要な資材を各建設現場に巡回する仕組みだ。
昨年10月からの約2ヵ月間に大林組と竹中工務店が施工する7ヵ所の現場で行った実験では、物流の大幅な効率化によるCO2削減につながることを実証した。
今回の実証実験は、首都圏7ヵ所の現場の輸配送情報を、LSで一元管理したもの。現場に搬入された建設資材はすぐに実際の作業場所に移動されるケースがほとんどで、「配送」と「揚重」が密接に関連していることに着目。インターネットを通じて資材メーカーやサプコン、工事事務所で物流情報を共有し、資材搬送と揚重作業との時間調整がスムーズに進むように運用した。
今回の実証実験の結果、物流の効率化により車両の延べ走行距離を削減するとともに、22%のCO2削減率を達成した。また、現場数を増やせば、CO2の削減だけでなく、コスト面でも大きな効果が期待できるとしている。
本年度も5者による実験を継続し、資材を製造するメーカーも巻き込んで、より効率的な資材流通の実現を目指していく考えだ。

大林組など5社が新方式の生体認証鍵システムを共同で開発
2006年5月25日
大林組、シャープ、エス・アンド・アイ、美和ロック、日本セキュアジェネレーションの5社は、高級マンションやテナントビル向けに、新方式のバイオメトリクス(生体認証)鍵システム「SOMSIS GUARD」を共同で開発した。同システムは、指紋認証と非接触ICカードを併用したもので、何らかの方法で生体データを盗み出されると容易に解錠されてしまう従来のシステムの弱点を解消したことが特長。
読み取り機本体に生体データを登録したり、データサーバーに集中保管したりする従来のシステムでは、機器そのものの盗難や不正アクセスによるデータ漏洩の危険性が高かった。
新システムでは、各住戸やオフィスの室内に小型の認証用サーバーを設置し、利用者自身が手元で保管する方式を採用。非接触ICカードとパスワードによる応急的な解錠手段を備えており、停電や機器の不具合が発生しても居住者が入退室できる仕組みとした。 小型サーバーを各戸に分散配置するため、機器の設置費用が増加し、100戸程度のマンションで導入する場合、約15%の費用増となるが、従来方式で高いセキュリティを確保する場合、サーバー専用室の確保、警備員の常駐などのコストが加算される。そのため、ライフサイクルコストで比較すると、同程度のコストになると見込んでいる。
大林組では、自社施工の高級マンションなどを主な対象として、採用を促進していきたい考えだ。

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