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設備工事業の受注高が2ヵ月ぶりの増加。平成18年8月分は前年同月比8.1％増
2006年11月9日
10月31日に国土交通省から「平成18年8月分（速報）の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。発表された基礎統計資料によると、平成18年8月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,500億円で前年同月比8.1％増となり、2カ月ぶりの増加となった。発注者別に見ると、民間は2,221億円で前年同月比15.6％増と、2カ月ぶりの増加となった。一方、官公庁は279億円で同28.7％減となり、3カ月連続の減少となった。工事種類別の受注高は次のとおり。電気工事＝1,124億円で前年同月比12.0％増（民間15.3％増、官公庁11.7％減）管工事＝1,197億円で同2.1％増（民間13.3％増、官公庁43.3％減）計装工事＝249億円で同25.0％増（民間33.0％増、官公庁2.1％減）本調査結果は、（社）日本電設工業協会（主要20社）、（社）日本空調衛生工事業協会（主要20社）、（社）日本計装工業会（主要20社）の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

大林組が石綿粉じん濃度測定のリアルタイム計測システムを構築
2006年11月9日
大林組は、レーザー光を使用して1分ほどで瞬時に空気中のアスベスト（石綿）粉じん濃度を測定する装置を導入し、石綿の除去工事を行う際の粉じん濃度を測定する技術を確立。簡易測定技術を用いたリアルタイム監視システムを構築した。同システムは、現場の内外に設置した計測器を使い、空気中に含まれる石綿の粉じん濃度を測定。ネットワークを介して、計測したデータを現場管理者が持つ端末機器のほか、本社や工事事務所などのパソコンでも遠隔監視が可能となるシステム。計測器は、プラズマ処理した空気の中から、石綿粉じんの情報だけを抽出することで、飛散状況を把握できる。国の「石綿障害予防規則（石綿則）」で示されている濃度測定方法では、石綿の除去工事を行う際、事前、工事中、事後の三段階で現場や周辺の空気をサンプリングし、特殊な顕微鏡などを用いて石綿の繊維をカウントする。ただし、この方法では試験機関に依頼してから調査結果が出るまでに最大7日程度を要するという課題があった。同社は、石綿除去工事の安全性を高めるには、現場と周辺環境を迅速に把握することが必要と判断。国内最大規模のアスベスト除去工事として同社が受注した「国立代々木競技場施設整備工事」に同システムを導入した。代々木競技場の工事で除去する石綿の面積は、約3万ｍ²にのぼる。同社は、ドライアイスを高圧で吹き付けて、手の届かないすき間や離れた場所でも確実に除去できる「ドライアイスブラスト工法」などで除去する。空気中の石綿飛散状況は、石綿則にのっとって測定するが、これに加えてリアルタイム監視システムを利用することで、より確実な安全性のチェックが行える体制を敷いて工事にあたるとしている。同社では、リアルタイム監視システムのほか、除去工事の各段階に対応できる技術を取りそろえ、今後も継続的に発生する石綿除去工事の受注に役立てたい考えだ。

ダイキン工業が遠隔監視センターからビル空調設備の運転最適化／省エネを自動制御するサービスを開始
2006年11月9日
ダイキン工業は、気象条件や空調機の設置状況・使用方法に応じて、ビル空調設備の運転を最適化するサービス「遠隔省エネチューニングサービス（商品名:省エネ当番）」を11月7日より開始した。同サービスは、同社が11月1日から販売しているビル用マルチエアコン「Ve-upⅢ」と「Ve-upQ」に対応するもので、機器本体で約30％（15年前のビル用マルチエアコンとの比較）、同サービスの利用により、さらに最大20％、トータルで約44％の電気代を削減するとしている。遠隔監視センターに毎日送信される空調設備の運用状況と翌日の気象データなどを参考にして、ピーク電力低減制御や能カセーブ制御、冷媒温度制御といった省エネ制御について、同センターから1日1回空調設備の最適な運転方法を自動的に指示する。この3種の省エネ制御の組み合わせにより、快適性と省エネ性の両立を実現するとしている。 3種の省エネ制御で、ピーク電力低減制御は、常に目標電力以下になるよう室外機の能力制御（運転電流の制限）を行い、ピーク電力を遠隔から抑制し、運転電力を低減する。能カセーブ制御では、冷し（暖め）過ぎなど無駄な運転をしている空調機を自動で検知し、過去の運転状態や当日の気象データから、能力上限値をコントロールして運転を行う。冷媒温度制御は、運転状態から建物の冷房負荷を自動的に判断し、当日の気象データにより、最適な冷媒（蒸発）温度にコントロールするという。このほか、基本料金や従量料金の削減効果の試算や毎月の消費電力と削減量・ピーク電力発生時の制御状況などのデータを年2回契約者に報告するとともに、空調機の使用実績から問題点の指摘や改善提案も行う。同社では、今後、同システムの普及促進を図ることにより、ビル稼動後の予防保全からマネジメントサービスまで、一貫したライフサイクルを通じた環境負荷低減の提案をしていく方針だ。

飛島建設がICタグで運搬管理および複数品種の混入防止を管理するシステムを開発
2006年11月22日
飛島建設は、ICタグでダム建設における運搬管理および複数品種の混入防止などをトータル的に管理する「ICタグを用いた骨材混入防止・運行管理システム」を開発し、施工中の横川ダム建設工事に初適用した。横川ダムでは、国土交通省直轄工事で初めて外部から購入したダム用骨材（粗骨材4種類、細骨材1種類）を使用。現場から約25㎞離れた骨材製造プラントから1日平均約200台のダンプトラックで骨材を搬入するため、受け入れ設備へ骨材の誤投入の防止が重要となった。同社は、誤投入の主な要因であるヒューマンエラー（誤操作、勘違いなど）を電気的・機械的に防止することを目的に同システムを開発したとしている。同システムは、書き込み装置、受発信装置（アンテナ）、ICタグ、制御装置、電光表示板、パソコン、プリンタで構成。一連の骨材運搬状況をリアルタイムに把握し、人為的な作業を極力減らすことで、骨材の数量・品質および運行管理の高度化を図るシステム。骨材製造プラントからダムサイトに設置した貯蔵設備までの骨材搬入過程の各チェックポイントで、ダンプトラックに装着したICタグにより各種情報を確認。骨材の誤投入を防ぐとともに、膨大な運行管理情報を容易に把握・整理が可能になるとしている。同社は今後、システムの完成度を高めるため、受け入れ側のトラック停止位置およびベルトコンベア上にレーザー変位計を設置して骨材種別を自動で認識するなど、今回の運用実績をもとにシステムの完全無人化を目指すとともに、技術普及に向けた提案活動を積極展開していく考えだ。

東洋熱工業が空調熱源の最適制御システムを開発
2006年11月22日
東洋熱工業は、建物や工場などの空調熱源エネルギー使用量の最小化を実現する「熱源トータル最適制御システム」を開発した。同システムは、「冷却水最適制御システム」、「熱源台数・出力分配最適制御システム」、「冷温水VWV（可変流量）最適制御システム」の3システムで構成。この3システムを熱源コントローラーがトータルで最適になるように制御するシステム。冷却水ポンプや熱源機（冷凍機、冷温水発生機など）、1次・2次冷温水ポンプなどの、最適な水量、温度、冷凍機出力などを制御することで、システムトータルでの省エネルギー化を実現するという。「冷却水最適制御システム」は、冷却水ポンプや冷却塔ファンの合計消費電力が最小となるポイントを見つけ、冷却水の変温度、変流量、変風量を制御するシステムで、2004年に実用化されている。「熱源台数・出力分配最適制御システム」は、インバーターターボ冷凍機と定速ターボ冷凍機の組み合わせ運転で最高効率運転を導くシステム。冷凍機それぞれの特性と冷却水温度などを総合的に判断し、システム全体のCOPが最高となる台数や出力分配を制御する。「冷温水VWV最適制御システム」は、二次側設備（空調機など）の負荷要求で常に変化する二方弁開度の情報を得て、ポンプの変流量、変揚程を制御し、熱源機とポンプの消費電力が最小となるように変温度送水も制御するシステムとなっている。同社は、今年3月から電子機器工場で同システムを稼働させており、これまでの運転実績から「世界最高レベルの年間システムCOP（エネルギー消費効率）7.0が達成できる見通し」としている。また、システムの汎用性が高く、新築・改修工事でも適用が可能なため、2010年度には、関連工事も含め約20億円の売上高を目指す方針だ。

日比谷総合設備が非接触型ICカード入退室管理システムを核にビルセキュリティ事業を強化へ
2006年11月22日
日比谷総合設備は、子会社のニッケイと共同開発中の非接触型ICカードなどを利用した入退室管理システム「NASCA（ナスカ）」をコアシステムとしたビルセキュリティシステムの構築を進め、顧客のニーズに合わせたセキュリティ事業を展開する。同システムは、非接触型IC力－ドリーダーや電気錠、ゲートコントローラー、センター装置などで構成。このうち、新開発する非接触型IC力－ドリーダーは、タッチパネル方式の液晶ディスプレイの裏面にアンテナを内蔵させ、コンパクトな大きさ（120mm×12mm×1mm）を実現した。フェリカなどマルチカード対応で、顧客ニーズに合ったカスタマイズが容易にできるのが特長だ。数台という小規模な管理から1,000ゲートを必要とする大規模なビルの管理まで幅広い対応が可能。個人認証が可能なバイオメトリクスとの組み合わせもできるほか、他システムと連動させ、照明や空調の消し忘れ防止機能や侵入者威嚇照明、異常時のカメラ監視などの提供も可能となっている。同社はこれまで、全国で約1万件の通信施設向け入退室管理システムを手がけてきた。同システムは、これまでの実績やノウハウを生かし、コアシステムだけを自社で開発し、必要に応じて他社システムを組み合わせるインテグレーション事業として展開する考え。BAS（ビルディング・オートメーション・システム）と連携させ、照明・空調なども含めた総合的なビルシステムを提案するとともに、価格も1ゲートあたり50万円以下とし、できるだけ価格を抑える方針だ。同社は、来年4月にも同システムの販売開始を予定。すでに民間企業や官公庁などに営業活動を進めており、初年度に約3億円（工事費含む）の売上高を目指す。

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