設備工事業の受注高が2ヵ月連続の減少 平成19年9月分は前年同月比9.6%減
2007年12月13日
11月30日に国土交通省から「平成19年9月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成19年9月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は3,150億円で前年同月比9.6%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は2,788億円で前年同月比8.8%減と、2ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は362億円で同15.3%減となり、6ヵ月ぶりの減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=1,436億円で前年同月比8.4%減(民間5.5%減、官公庁29.2%減)
管工事=1,520億円で同12.1%減(民間12.6%減、官公庁8.1%減)
計装工事=293億円で同5.3%減(民間8.6%減、官公庁11.0%増)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

日立プラントテクノロジーがICタグを利用した建設管理システムを開発
2007年12月13日
日立プラントテクノロジーは、微小なICタグ(RFID)を応用したプラント建設管理システムを開発し、大規模工事を対象に実工事への適用を開始した。同システムは、RFIDを人や資機材に取り付け識別・管理することで、建設管理の合理化を進めるもの。埠頭工場での実証実験で評価を終えており、今月中には、島根原子力第3号建設工事に適用する予定だ。
同社は、原子力発電建設工事や海外大規模電気設備工事で、建設管理の合理化を図り、競争力を高める目的で同システムを開発。RFIDと製品情報などを連携するもので、資材管理システムと作業記録システムで構成する。
資材管理システムは、資機材の数が10万を超える大規模原子力発電所などにおいて、資機材の現場到着後に現品チェックを終え、RFIDリーダーを使い位置情報を登録。ガイド機能を使い所定の保管場所に収納し、GPSで製品保管位置を管理する。資機材の引き当てミスや探索時間を短縮することで、生産性を高める仕組みだ。
作業記録システムは、いつ、誰が、何を検査したかを確実に記録。その場で信頼性の高い情報を記録できるとともに、確実な進捗管理を実現。デジタルカメラとも連携可能で、記録写真にRFIDコードを関連付けて管理する。コンピュータ上で写真の判別が容易に行えることから、現場で時間を取られがちな作業写真の整理や報告書の作成をサポートするとしている。
同社では、2008年度以降、大規模変電工事などへ対象工事を拡大。同システムの活用は当面、社内での利用に限定する方針だが、発電所の工事だけでなく広く建設工事に活用できることから、外販も検討する考えだ。

プレミネットが電力線通信を利用した電力量監視システムを開発
2007年12月13日
きんでんの子会社のプレミネットは、電力線通信(PLC)を利用した電力量監視システム「MegaLine ECO」を開発した。
同システムは、同社の産業用SS-PLC(スペクトラム拡散変調方式電力通信)モデム「PLAM2500J」に、電力量を計測する機能を付加し、省エネルギーマネジメントシステムとして設計したもの。電力量を読み取る電力量センサーのほか、そのデータを積算する機能を付加したモデム、PLC信号の中継器となるリピーター、屋内電力線とLAN/インターネット回線とを仲介するベースステーション、電力量データを蓄積する電力管理サーバーで構成する。
計測ポイントに汎用の電力量センサーとモデムを取り付けるだけでシステムの構築が可能。積算された電力量データは、リピーターとベースステーションを経由して電力管理サーバーに送信され、LAN/インターネットによる遠隔監視も行える。
計測ポイントの位置変更や増設が容易にできることが特長で、1台の電力管理サーバーにモデムを120台まで接続可能。同じ電気設備上に電力管理サーバーを3台まで設置可能なことから、最大360点まで計測ポイントを増設できるとしている。
従来の電力量監視システムは、データ収集装置が多機能・高価で、通信線やLAN配線の新規工事が必要であることなどを理由に、導入は一部施設のみに限られていた。同システムは、昨年解禁された高速PLC技術(建物内のみで解禁)を利用することで配線工事を不要とし、さらに、電力の無駄遣い監視に機能を絞り込むことで徹底的なローコスト化を実現した。システム構築は、設置環境によって異なるが通常2〜3日で作業を完了。従来の電力量監視システムと比較して、導入費を半分以下に抑えられるという。

三井住友建設が協力会社などの工事関係者間で
施工プロセスを把握できる施工管理プラットフォームを開発
2007年12月27日
三井住友建設は、自社だけでなく関係する企業の担当者も工事の施工プロセスを把握できる施工管理プラットフォーム「Foreman.net(フォアマン・ドット・ネット)」を開発した。
同プラットフォームは、熟練作業員と非熟練作業員が入り交じった施工環境、重層化した施工体制、現場監督員・作業員の不足、強まる短工期化要求などを背景に難しくなってきた施工管理の改善を図るためのツール。各種管理システムを統合し、データの一元化による各種分析機能を加えたもので、「協力業者管理」、「入退場管理」、「労務・安全管理」、「労務実績管理」、「物流管理」、「工区内セキュリティシステム」で構成されている。インターネット経由で社員、協力会社、派遣社員、JV社員が、与えられたアクセス権限の範囲で、いつでも、どこからでも、同じシステム/情報を共有/利活用できる。
大規模工事では短工期化要求が強まる中、数多くの熟練作業員と非熟練作業員が入り交じり、時間に追われながら作業を進めているのが現状だ。こうした施工体制環境に対応し、高い品質と安全性を確保することを喫緊の課題となっていた。同社では、同プラットフォームの活用により、施工プロセスのさまざまな情報を関係者がわかるようにし、工程の無理や無駄をあぶり出して合理化、効率化を全社的に推進する考えだ。
同社は、品質管理など作業所管理業務の高度化と効率化を図ったシステム環境は建設業界初だとしている。現在、約2,100社の協力業者情報と約21,000人の作業員情報の登録を完了し、首都圏の大規模現場を中心に稼働中。管理上必要な情報は、適時プラットフォーム環境に組み込んでいく考えで、今後は、中小規模現場を含め段階的に全国展開を図る方針だ。

飛島建設と日本大学がコンクリート系構造物の健全性を3次元で診断するシステムを開発
2007年12月27日
飛島建設と日本大学は、医療で使用するCTスキャンと同様にコンクリート内部をさまざまな断面で可視化でき、より正確な健全性評価が可能な「3次元構造物健全性診断システム(DaCS-3D)」を共同開発した。同システムは、ひび割れや空隙により反射や回折するといった性質のために損傷規模が大きいほど伝播時間が長く、伝播速度が遅くなる弾性波の特性を利用して、コンクリート構造物の健全性を評価する非破壊検査技術。弾性波の伝わり方の違いなどを独自手法で解析し、構造物内部の健全性を3次元で効率良く評価できるとしている。
対象構造物の表・裏・側面などの3面にセンサーを配置し、それぞれの面から弾性波を順次入力しながら、波の伝わり方や速度の違いなどのデータを収録。独自の3次元トモグラフィ(断層撮影)処理プログラムを介して自動的に構造物内部の弾性波速度を算出し、内部の損傷度を3次元で可視化する。老朽化の進行具合や改修・補修効果などについて、より高い精度の評価・分析が可能。
これまで2次元弾性波トモグラフィによる解析技術は実用化されていたが、構造物内部を3次元的に調べるためには2次元断面を大量計測し、個々のデータを補完しながら疑似的に3次元化していたため、時間と手間がかかっていた。同システムでは、3次元弾性波トモグラフィ技術により解析期間を従来の7分の1に短縮できるという。
今回の3次元弾性波トモグラフィ技術の確立により、従来よりも少ないセンサー計測で構造物の内部を3次元化し、任意の断面で健全度を詳細かつ素早く把握することが可能だ。
同社は、既に実構造物でシステム性能を実証しており、コンクリート系の構造物の維持管理を担当する関係先を中心に提案活動を展開していく考えだ。

日本コムシスがICタグを利用した工事現場の資材盗難防止システムを開発
2007年12月27日
日本コムシスは、ICタグを利用した資材の盗難を防止するシステム「御用ダ!!」を開発した。同システムは、各種金属類の価格上昇などに伴い多発する建設工事現場の資材盗難事件を未然に防ぐことを目的に開発した盗難防止システム。振動センサー内蔵のICタグを取り付けた資材が移動したり振動したりすると、特定小電力無線で自動的に電波を発信。電波を主装置が受けると、警報音や光を発して不審者を威嚇し、盗難を未然に防ぐという。
1台の主装置に対して最大20個までICタグを登録することが可能。主装置が異常を検知すると、検知情報がNTTドコモのDoPa網を介してサーバーに送信される。さらに、サーバーから管理者の携帯電話やパソコンに電子メールで通報することができるため、リアルタイムでの対処が可能になるとしている。
同システムは、充電式バッテリーによる駆動が特徴で、工期が短く電源のない工事現場などでも利用が可能。配線作業が不要なため、設置および撤去作業も簡単に行える。また、設置する主装置とICタグとの距離が最大で50mまで対応でき、従来製品と比較すると、より広範囲での設置が可能だ。
同社は現在、6支店で実証実験を行っている。支店での実証実験を通じて同システムの性能確認を行うと同時に、実利用に向けてより一層の機能向上を図る考えだ。

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