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設備工事業の受注高が5ヵ月ぶりの減少　平成19年8月分は前年同月比3.5%減
2007年11月8日
10月31日に国土交通省から「平成19年8月分（速報）の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。発表された基礎統計資料によると、平成19年8月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,413億円で前年同月比3.5%減となり、5ヵ月ぶりの減少となった。発注者別に見ると、民間は2,067億円で前年同月比7.0%減と、5ヵ月ぶりの減少となった。一方、官公庁は346億円で同23.8%増となり、5ヵ月連続の増加となった。工事種類別の受注高は次のとおり。電気工事＝1,130億円で前年同月比0.3%増（民間2.1%増、官公庁15.7%減）管工事＝1,137億円で同5.0%減（民間13.1%減、官公庁61.0%増）計装工事＝228億円で同8.2%減（民間16.2%減、官公庁28.8%増）本調査結果は、（社）日本電設工業協会（主要20社）、（社）日本空調衛生工事業協会（主要20社）、（社）日本計装工業会（主要20社）の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。なお、これは速報値であり、確報後日公表される予定だ。

鹿島が生産施設の3次元CADデータと設備機器の保全情報を連携させた管理システムを開発
2007年11月8日
鹿島は、生産施設の3次元CADデータと設備機器に関する保全台帳などを連係させた管理システム「PServant（ピー・サーバント）」を関発した。同システムは、工場の設計図に基づき作成された3次元CADデータと設備機器の保全情報を効果的に一体化させたもの。画面上に3次元表示された設備を指定すると、その設備に関する設備概要、保全計画、修繕作業履歴などの詳細情報を表示。保全管理に関するドキュメント・履歴などの情報が一元管理可能となっている。3次元表示で視覚的に設備のメンテナンス個所の特定が容易となり、設備の点検漏れを防止。日常的な管理業務支援と合わせ、作業履歴を有効活用した修繕計画を策定し、オーバーメンテナンス防止によるコスト縮減といった保全管理全体の効率化が図れるとしている。また、全データをサーバーで管理しているため、関係者らはネットワーク上で保全情報を共有可能だ。同社の施工物件では、ある程度の設計データが事前にあるため、より経済的かつ容易にシステムを構築可能。設計図がない場合でも、3次元レーザー測量でCADデータを作成することで、他社施工の生産施設へのシステム導入も可能としている。システム自体の販売価格は800万円（施設ごとのカスタマイズ費用は除く）。同社は、食品系工場に先行導入し、システムの安定性を実証するとともに、管理メニューなどを絞り込んで使用性の向上を図った。今後は、同システムの営業活動を本格的に開始。中長期的に施設の保全管理を支援するコンサルタント業務などを含め、計画から設計・施工、維持管理まで一貫したサービスを提供していく考えだ。

日立製作所が建物設備の最適配置のための3次元人流シミュレーション技術を開発
2007年11月8日
日立製作所は、横浜国立大学、ジェイアール東日本企画と共同で、建物内の人の流れや混雑を3次元で予測する「3次元人流シミュレーション技術」を開発した。同技術は、横浜国立大学とジェイアール東日本企画が保有する駅構内での人流シミュレーション技術と日立製作所のエレベーターシミュレーション技術を組み合わせたもの。3次元評価をもとに、建物内の設備を最適配置することにより、収益スペース拡大や省エネルギー化を実現する目的で開発された。同技術では、設計データをもとにフロアごとのレイアウト情報を読み込ませ、時間帯ごとの来場者数や来場者が訪問する階層などのデータを入力することで、建物内の人の移動を3次元で再現する。エレベーターを使った建物内の上下移動や各フロア内での歩行による水平移動を把握するとともに、人の分布を決定する心理モデルを用いて、ロビーやエレベーターホールの人の挙動を忠実に再現。混雑度や輸送効率を高精度に評価する。同技術の導入により、これまで経験的に行われたセキュリティゲートやエレベーター、設備などのレイアウトを定量的な指標に基づき適切に決定できるとしている。同社は、今後さらに同技術の精度を高めるとともに、建設予定の建物の設計や既存の建物の混雑予測に活用することで、より快適で経済性の高い合理的な建物の開発に貢献させたい考え。エレベーター、空調、セキュリティなどの提案の際に新技術を活用する方針だ。将来的に複数のビルが立地する街区の人の流れを把握可能になれば、都市計画のツールとしても活用できる可能性が広がりそうだ。

沖電気工業と太平洋セメントがICタグを活用したコンクリート構造物の「ひずみ計測システム」を共同開発
2007年11月22日
沖電気工業と太平洋セメントは、パッシブ型センサー付きの無線ICタグ（RFID）を活用したコンクリート構造物の維持管理システム「ひずみ計測システム」を共同で開発した。同システムは、構造物に作用する様々な荷重や劣化によって生じる変位や変形を、電池を搭載しないパッシブ型ひずみセンサー付RFIDタグを用いて測定するもの。RFIDと接続したセンサーをコンクリート構造物内部の鉄筋に取り付けておき、センサーが計測した数値情報を専用の書き込み・読み取り装置「センサー対応型リーダーライター」を使ってRFIDから取得。センサーが感知した構造物の変形、温度情報などから、維持管理作業を効率化できるとともに損傷・劣化状況を高い精度で把握できるとしている。 RFIDは、リーダーライターからの電波エネルギーを利用することで、電池を必要としない仕様。中容量のメモリーを備えており、データの書き換えが可能となっている。RFIDには、個別のIDが用意されており、調査点検の結果、設計図書や仕様材料も容易に把握可能だ。データの読み取りなどで使用する周波数は、水分による干渉の影響が小さい13.56MHz帯。コンクリート構造物に埋設して使用するため、構造物の耐久性を低下させる心配がないとしている。また、温度に対する抵抗値が大きいセラミック「サーミスタ」を温度センサーとして組み込んでおり、高い精度での温度測定も可能だ。沖電気工業では、パッシブ型センサー付RFIDタグなどの製品を活用したセンシングシステムの開発を積極的に進める方針。一方、太平洋セメントでは、システムの実証試験を進めた上で、2008年4月から太平洋コンサルタントで試験販売の開始を予定。今後は、構造物調査をはじめとするコンクリートコンサルタント事業の収益拡大を目指す考えだ。

奥村組が建設現場の振動・騒音・粉じんによる周辺環境への影響を総合的に解析するシステムを開発
2007年11月22日
奥村組は、建設工事で発生する騒音、振動、粉じんによる周辺環境への影響を総合的に定量評価可能な解析システムを構築した。工事現場の周辺では、建設機械のエンジン音や打撃作業による騒音、発破や杭打ち作業などで起きる振動、地盤の掘削・整地やダンプトラックの通行で発生する粉じんの3つが特に問題になりやすい。施工側は、事前にこれらを定量的に評価し対策を立てる必要があるため、評価と対策立案には、複雑で高度な数値解析が求められている。これまでの解析ソフトは、騒音、振動、粉じんの3項目について、それぞれ個別に開発されており、同じ工事現場の解析でも、入力データの作成方法が異なっているため、別々にデータを作成する必要があり、データ作成作業に多くの手間と時間が掛かっていた。同システムでは、CADソフトで現場の地形データを作成して取り込み、これを3項目共通の解析データとして利用することで作業効率を飛躍的に向上させた。また、影響の度合いと対策の効果もカラー画像でわかりやすく表現可能にした。同システムを使用することで、工事現場と周辺民家との位置関係や、バックホウやブレーカーなどの作業場所と騒音・振動などのレベル、防音壁の位置などが色分けされた立体画像で表現でき、周辺住民への説明も効果的に行えるようになるという。同社は今後、各工事現場でこの解析システムを利用して施工計画を作成。現場周辺の生活環境への工事の影響を最小限に抑える考えだ。

大成建設が設計時の地震動作成業務を効率化する地震波形データ検索システムを構築
2007年11月22日
大成建設は、特定地点での地震波形に関するデータを検索可能なシステム「大成地震波データベース」を構築した。同システムは、平野と地震の組み合わせによる解析ケースをもとに、地表面の地震波データを0.5～1㎞程度の間隔でサーバーに保管。簡単操作で高精度なデータを瞬時に引き出せるもの。関東・濃尾・大阪平野での東海・東南海・南海地震といった海溝型巨大地震や、内陸直下型地震などの地震動シミュレーション結果を大型コンピュータによりデータベース化。中央防災会議で公表された評価結果のほか、過去の実施物件で作成した地震動データなども登録している。データを保管するサーバーは同社の技術センター内に設置し、社内LANを介して本社・支店の設計者や技術者らが自由にアクセス可能。動的解析を要する超高層や免震建築物などの設計用地震動として、個々の設計実務に素早く活用でき、これまで1週間ほどかかっていた設計時の地震動作成業務が半日程度に短縮できるとしている。また、既設建物の被害予測にも応用可能だ。具体的には、解析ケースを選択し、緯度と経度を入力するだけで任意の建設地点の地震波形を検索。地図、時刻歴波形、疑似速度応答スペクトルを描画したレポート画面が表示される。解析ケースの一部では、動画で地震波形の動きを把握可能。さらに、異なる解析手法で計算した短周期、長周期の二つの地震動評価結果を組み合わせ、より広帯域な地震動を作成するハイブリッド波作成機能も有している。同社は今後、データベースへの登録内容を継続的に充実させるとともに、検索データの利用方法の多様化を進めていく考えだ。

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