設備工事業の受注高が2ヵ月連続の減少 平成20年9月分は前年同月比1.1%減 |
2008年12月11日 |
11月28日に国土交通省から「平成20年9月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成20年9月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は3,114億円で前年同月比1.1%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は2,723年同月比2.3減と、2ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は391億円で同8.0%増となり、4ヵ月ぶりの増加となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=1,715億円で前年同月比19.4%増(民間15.7%増、官公庁54.7%増)
管工事=1,331億円で同12.4%減(民間13.7%減、官公庁2.6%減)
計装工事=345億円で同17.9%増(民間25.9%増、官公庁14.8%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
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グリーンエネルギー認証センターがインターネットを活用した 遠隔検針によるデータ収集システムの電力認証を認可
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2008年12月11日 |
(財)日本エネルギー経済研究所のグリーンエネルギー認証センターは、太陽光発電の電力量認証の確認方法として、インターネットを活用した遠隔検針によるデータ収集システムを、電力認証の仕組みの一つとして認可すると11月25日に発表した。同システムは、三洋ホームズなどが独自に運用を開始しており、電機メーカーも技術開発を推進中。近年、太陽光発電電力量の管理システムを独自に構築する住宅事業者などが増えており、同センターは認証手続きを簡素化することで太陽光発電の普及をさらに促進する方針だ。
これまで、自然エネルギーによる発電行為へのお墨付きともいえるグリーン電力認証を受ける際には、計量器の写真や売電電力量の検針票の写しといった証拠書類を提出する必要があった。また、書類の提出だけでなく発行元による内容のチェックも必要で、認証希望者からは手続きの簡素化を求める要望があった。一方で、グリーン電力認証は、環境配慮の姿勢を対外的に示したい事業者が増加したことで認証希望者が増えており、発行元としても事務処理の増大が続く懸念があった。
同システムが電力認証の仕組みとして認められたことで、検針票の写しなどをシステムの管理者が保管するデータに代替できるようになり、認証の発行元と認証希望者の事務手続きが大幅に簡略化される。一定の条件を満たす管理システムを構築している事業者は、同システムのデータを通じて、同センターからグリーン電力認証を受けられるようになる。
なお、認証の対象となる管理システムの要件は、検定証印の有効期間内にある電力量計データの利用、事故が起きた際の責任の所在の明確化、システムの正確性・信頼性を確保する仕組みの保有などとなっている。
同センターでは、同システムの認可により、申請にかかる事務処理費用を大幅に削減し、さらなる太陽光発電の普及に貢献する考えだ。
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コクヨビジネスサービスらが狭所でも3次元計測が可能な 携帯型3次元計測器を共同開発 |
2008年12月11日 |
コクヨビジネスサービスとデベロソリューションズは、携帯型の3次元計測器「LISAMobile(ライザ・モバイル)」を共同で開発した。
両社が共同開発したLISAMobileは、手持ちで移動しながら対象物をレーザースキャナで計測し、計測したデータを3次元化するもの。軽量でコンパクトな機器とすることで、従来の固定式では困難だった狭い場所や障害物が多い場所での計測を可能とした。900gと軽量ながら、毎秒1万点の座標を計測できるレーザースキャナと姿勢情報の補正を行う3次元モーションセンサーを内蔵。レーザースキャナ、モーションセンサー、トータルステーションの3つの効果を組み合わせることで、毎秒1万点の3次元座標出力を可能にした。
また、従来の3次元スキャナは、本体から放射状にレーザー計測を行うため、本体から離れるほど測定密度が低下していた。また、障害物があった場合、障害物の裏側にレーザーが届かないため、障害物の裏側から再度計測を行う必要があった。LISAMobileでは、歩きながらの計測が行えるため、レーザーの密度も一定となり、障害物も360°表裏なく均等に計測が可能だという。
これらの機能によって、これまで計測が難しかった洞窟や歴史的建造物などの狭い場所や、店舗、向上、プラントなどで3次元モデリングを行い、最新設備図面への反映や疑似体験空間の作成が可能としている。
発売は2009年1月30日の予定で、販売予定価格は1,260万円(税込)。
両社は今後、携帯型の新型機を使って資産管理や図面管理など既存サービスのコスト削減と効率化を図るほか、全国の代理店と共同で計測サービスも展開していく考えだ。
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東洋熱工業が開発した空調熱源制システムが世界最高レベルのシステムCOP8.3を達成 |
2008年12月25日 |
東洋熱工業は、2007年に電子機器メーカーの工場で実用化した「熱源トータル最適制御システム」が、世界最高レベルのシステムCOP(エネルギー効率)8.3を達成したことを明らかにした。
同システムは、外気や室内の状態によって変化する負荷に対し、熱源システム全体で最も効率の良い運転を実現するため、冷凍機やポンプ、ファンなどの各機器に最適値を適時指示するもの。新築工事や改修工事のいずれにも適用可能で、型式や容量の異なる冷凍機やポンプなどの特性をフルに引き出し、システムが持つ最高効率での運転を可能にする汎用性の高い制御システムだ。セントラル熱源システムを持つ工場や電算センター、商業施設など冬でも冷房負荷の大きい施設に有効だという。同工場で約1年半運用した結果、同システムを導入していないケースと比較してランニングコストを2分の1以下に低減できることを実証。2億円超の導入コストを3年以内に回収できる見通しとしている。
同システムのシステムCOPは、一般的な電動式の熱源システムのCOP年間平均3〜4程度と比較して約2倍となり、エネルギー消費量、ランニングコストを半減。また、一般的な燃料系冷熱源システムと比較して二酸化炭素(CO2)排出量を70〜80%削減できるという。
同システムは、高い省エネルギー性の追求だけでなく、熱源が要因となっての生産ストップを防止するため、高信頼制御システムも装備している。これはプロセス安全性評価手法(HAZOP)を応用して構築したもので、想定できるすべてのトラブルと影響を整理。その対策を洗い出して妥当性をひとつひとつ評価し、機器のバックアップや制御・通信の二重化などの対策を決定・実施するものだ。
同社は、同システムの受注貢献額として、2009年度が30億円、2010年度が50億円、2011年度には100億円を見込んでいる。
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住友大阪セメントらがICタグを活用し、ネットで警報する路面冠水情報装置を開発 |
2008年12月25日 |
住友大阪セメントは、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と共同で、個別の認識番号が割り振られたICタグ「ucode(ユーコード)タグ」を活用した「路面冠水情報装置」を開発した。
同装置は、路面に埋め込まれたucodeタグが発信する電波が、局地的な集中豪雨などで生じた水溜りによって干渉された場合に、インターネットを通じて道路管理者や消防、警察に異常を通報するもの。ucodeタグが発信する電波の回数を増やせば、路面の状況を常に把握できるという。今夏は、集中豪雨によって道路が冠水していたにもかかわらず、情報の周知が遅れた影響で事故が発生したり、地域一帯の道路交通がマヒしたりする被害が各地で多発していた。同装置では、情報の受け取り手段を整備すれば、道路管理者だけでなく一般の自動車など、ユーザーにも冠水情報を周知することが可能だとしている。
ucodeタグは、電波の発信頻度を調節すれば、電池寿命が3年以上持続するという。路面に埋めるucodeタグそれぞれについて、点検結果などを記録しておけば、効率的な電池交換が可能だ。ucodeタグの情報とそれを埋めた道路や立体交差区間などの情報を併せて記録しておけば、避難する方向や排水設備の設置場所を速やかに導き出すことも可能だ。
同社は、2009年には実証試験を開始したい意向。道路の立体交差部のほか、地下鉄や地下街の入り口などに設置しても利用者の安全を確保する効果が期待できるとしている。今後、地方公共団体や公共交通機関などに対する提案活動を積極的に実施するとともに、この技術の応用に向けた研究開発をさらに加速する方針だ。
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清水建設がICタグ活用により入館者ごとにアクセス制御可能な 次世代型セキュリティシステムを開発・実用化 |
2008年12月25日 |
清水建設は、ICタグを利用した次世代型セキュリティシステム「シミズ来訪者セキュリティシステム(仮称)」を開発・実用化したと発表した。同システムは、入館証に埋め込んだアクティブ型ICタグが3秒ごとに発信する電波を、施設内の各所に配管されたセキュリティセンサーが受信し、入館者の所在地を常に把握するもの。センサーは最大で30m離れたICタグを検知できるという。同社の技術研究所での実証運用を1年間実施したところ、来訪者が移動している場合で90%以上、一定エリア内に30秒以上滞留している場合で100%の検知精度だったとしている。
同システムでは、入館者の位置情報を利用することで、アクセス禁止ゾーンに入り込んでしまった入館者を把握できるほか、オートロックシステムなどとの組み合わせで、来訪者の属性に応じたアクセス制御や施設管理者への警報発信なども可能だ。また、既存のゲート方式では、一度の開錠で複数の人が入退室してしまうという「共連れ」の問題が課題だったが、同システムは、入館者一人一人の位置情報を把握できるため、この課題を解決。さらに万一の災害時には、施設内の一括安否確認も可能としている。
同システムは、ICタグを埋め込んだ「入館証」、ICタグ発信電波を受信する「セキュリティセンサー」、入館証発行・回収プログラム、位置情報を抽出・解析する「セキュリティデータベース」、位置情報や移動履歴情報を表示する「画像システム」で構成する。基本価格は、延べ20,000m2のオフィスビルで約1,300万円(タグ本体300個、セキュリティセンサー15台を含む)。
同社では、多くの来訪者がありながら高度な施設管理が求められるオフィスや、医療施設、見学施設など向けに積極的に提案し、工事受注に役立てる方針。今後は、次世代型の設備制御システムと連携させて、空調・照明などの効率管理や会議室の稼働率分析などにも応用する考えだ。
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