設備工事業の受注高が3ヵ月連続の減少 平成19年10月分は前年同月比0.6%減
2008年1月10日
12月27日に国土交通省から「平成19年10月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成19年10月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,412億円で前年同月比0.6%減となり、3ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は2,127億円で前年同月比0.1%減と、3ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は285億円で同4.7%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。

電気工事=1,159億円で前年同月比4.9%減(民間1.3%増、官公庁41.0%減)
管工事=1,060億円で同0.6%増(民間4.6%減、官公庁52.4%増)
計装工事=273億円で同25.7%増(民間27.2%増、官公庁17.2%増)

本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

大手ゼネコンらがICTを活用し、建設作業員の作業履歴などを管理する
「建設共通パス」の共同研究を推進へ
2008年1月10日
大手ゼネコン数社と、東京大学、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(YRP)、新都市ハウジング協会などで構成する「集合住宅等のRFID活用建設共通パス研究開発委員会」は、建設作業員が保有する資格や作業履歴などを電子データで管理するシステムを共同開発し、実証実験の準備に着手した。同システムは、工事現場の入退場管理を効率化できるほか、安全対策、決済などにも応用が可能。共同研究は、元請業者が異なる工事現場でも運用できる共通システムの構築が目的で、研究参加者は、建設業者や関係機関に参加・協力を呼び掛ける考えだ。
同委員会は、情報通信技術(ICT)の高度利用を研究する東京大学、YRP、新都市ハウジング協会が主体となって共同研究を発案。大手ゼネコンの技術研究所などが協力する形で発足し、国土交通省も支援している。
同委員会が開発している技術は、ICタグを組み込んだカード「建設共通パス」と、その読み取り機器などで構成するシステム。建設作業員の資格・免許や就労履歴などを登録しておけば、その情報を複数の工事現場で共有できる。多数所持しがちな資格・免許証の集約、資格関係の書類管理の省略、有害物質が発見された現場での就労履歴の把握などが可能だ。システムの中で閲覧できる項目を会社ごとに設定する仕組みや、電子マネーとしての活用なども視野に入れている。
同委員会は、元請業者間で建設共通パスを運用できれば、元・下請双方の業務を効率化でき、現場で働く人々のメリットが特に大きいとみて、共同研究への参加者を募り、実証実験などを広範囲で進めたい考え。共同研究の参加に前向きな意向を示す準大手ゼネコンも既に出ているという。
同委員会は、資格情報の集約などに関し、国土交通省や厚生労働省などに理解を求めると同時に、公共工事の現場での試行を目指す方針だ。

CALS/EC&建設ICTの最新情報が一堂に会する「CALS/EC MESSE 2008」が1月24〜25日に開催
2008年1月10日
(財)日本建設情報総合センター(JACIC)と(財)港湾空港建設技術サービスセンター(SCOPE)は、東京・有明のTFTホールで2008年1月24日(木)〜25日(金)の2日間、「CALS/EC MESSE 2008」(CALS/EC&建設ICTの展示会・セミナー)を開催する。
今回で第7回を迎える同イベントは、展示会とセミナーで構成され、展示会では、「生産性向上」、「コスト縮減」等、受発注者をサポートする最新の技術・製品が見本市形式で紹介される。また、「CALS/ECシンポジウム」では、「"業務改善から生産性向上へ"−CALS/ECが実現する建設生産システムの明日−」をテーマに、国土交通省大臣官房技術審議官の佐藤直良氏による基調講演が行われ、他産業におけるICT活用事例として航空産業の事例を紹介する特別講演のほか、国土交通省、地方公共団体、公共事業に関わる企業の代表をパネリストに迎えてのパネルディスカッションも実施される。
そのほか、新規企画の受注者の効果的事例を紹介するセミナーをはじめとして、発注者の先進/導入事例を紹介するセミナー、CALS/ECに携わる実務者を対象にしたセミナー、CALS/ECの市町村への展開を考慮して企画されたCALS/EC入門セミナーなど、CALS/ECの最新動向を紹介する多くのセミナーが予定されている。 「CALS/EC MESSE 2008」の概要は下記の通り。

『CALS/ECシンポジウム』(事前申込制/参加費5,000円 1月24日開催)
『展示会』(入場無料 1月24〜25日開催)
 ・ 建設ICT&CALS/ECソリューション展示ゾーン(出展企業約50社)
 ・ CALS/EC体験ブース(主催者展示ゾーン)
 ・ 発注者先進/導入事例セミナー
 ・ 受注者効果的事例セミナー
 ・ 実務者セミナー
 ・ CALS/EC入門セミナー
 ・ テクニカルフォーラム

同イベントに関する詳しい情報はホームページに掲載されている。URLは次のとおり。
http://www.cals.jacic.or.jp/event/messe/
http://www.scopenet.or.jp/cals/

国土交通省が構造計算プログラムの大臣認定を早期化へ
2008年1月24日
国土交通省は、改正建築基準法に適合した大臣認定構造計算プログラムとして、NTTデータが開発中のプログラムを仮認定した上で、2月下旬にも正式認定する考えを明らかにした。今月21日に仮認定を行い、ゼネコンや設計事務所、指定建築確認検査機関などで構成するコンソーシアムを発足させて仮認定ソフトを試行利用。不具合(バグ)チェックを行うとともに、全国で実務者向けの研修会を実施する方針だ。
大臣認定構造計算プログラムは、NTTデータ、構造ソフト、ユニオンシステムの3社が性能評価の申請を済ませており、このほかに十数社が申請に向けた作業を進めている。中でもNTTデータが最も先行しており、1月20日頃に骨格が完成するめどが立ったとしている。ただし、最後のバグチェックに一定期間が必要で、通常の方法では、認定が春までずれ込む懸念があることから、コンソーシアムでバグチェックなどの検証作業を実施することになった。
仮認定ソフトは、コンソーシアム参加企業が設計中の案件で実際に利用するほか、既存の建物での検証も実施するとしている。不具合情報や改善要望は、事務局となる建築行政情報センターを経由してNTTデータに報告され、ソフトに反映させる考え。
研修会の開催頻度や会場などの詳細は、参加申し込み人数などを考慮して決定する。早ければ1月中、遅くとも2月初めには開始する見込みだ。
同省は、大臣認定構造計算プログラムが利用可能になれば、建築確認の審査期間を半分程度に短縮できると見込んでおり、バグチェックの作業を急ぐとともに、後続のプログラムにも検証結果を活かしていく考え。新しい大臣認定プログラムは、入出力の様式などを標準化しているため、他社のプログラムを利用する場合でも、研修内容が活かせるとしている。

谷沢製作所がNECと共同で各種通信機能付きヘルメットを開発
2008年1月24日
谷沢製作所は、ヘルメットに、通信機能やセンサーなどのハイテク機器を内蔵し、用途によりその機能をユニットとして取り付け、取り外しができるユーティリティスペース付通信ヘルメット「Uメット」を秋頃の商品化を目指してNECと共同開発している。
同社は、「Cプロジェクト」の名称で「Uメット」開発への取り組みをスタート。コードや突起物が外付けである状態では、厚生労働省の「保護帽検定」を取得できないため、ヘルメットメーカーである同社は、最初からカメラなどを組み込んだ商品づくりを進めた。
当初は、NTTドコモのFOMAを利用して、会話や映像などの送信が可能なヘルメットの開発に着手。1号機を2007年5月に製作したが、ランニングコスト面での課題が残った。そこで、通信費のかからない無線LANの導入を模索していたところ、1号機を出展したイベント会場でNECの担当者が興味を示し、共同開発がスタート。無線LANの搭載、GPSなどによる位置検出など各種機能の付加、さらに、すべての電子機器を帽体内で完結し、試作段階で1kgまで軽量化した2号機を同年10月に完成させた。2号機は、カメラで撮影した映像や音声をリアルタイムに配信・蓄積できるNECの「ユビキタス・マイクロ・サーバ」により、これまでにない快適性を利用者に提供可能。すでに複数のゼネコンとの間で、独自の仕様を盛り込む商品作りへの打ち合わせも始まっているという。
同社は、「Uメット」の通信機能を使用すれば、現場の離れたところからの作業指示、勤怠管理、センサーの搭載による接触事故の防止などがユビキタス環境で可能となるとしている。2007年問題で熟練工の不足が懸念される中、管理者と複数の若手作業員とが相互に迅速な情報共有・意思疎通などにも「Uメット」は役立つとみている。

kodo.ccが建設工事の受発注者をインターネット上で仲介するマッチングシステムを開発
2008年1月24日
建設会社のkodo.cc(コードー・ドット・シーシー)は、建設工事の発注者と受注者をインターネット上でマッチングさせるシステム「請負紹介システム」を開発。2008年2月上旬から全国規模でサービスを開始する。
同システムは、工事を発注したい会員(以下、発注希望者)が、サイト上で「工事概要」や「現場地域」、「業種」、「期間」、「人員数」、「発注希望金額」といった仕事の内容や条件を登録。これをサイト内で掲示して受注者を募るもの。無料会員登録することで利用が可能だ。
工事の受注を希望する会員(以下、受注希望者)がサイト上の連絡機能で意思表示をすると、サイトの運営者は、発注希望者へメールで知らせ、サイト上で受注希望者の情報を開示する。この段階では、発注希望者は受注希望者の具体的な社名などを知ることはできないが、社員数や営業年数、業務内容などを判断材料として、紹介を希望するかを決定する。発注希望者が受注希望者の紹介を希望する場合は、サイト上の連絡機能で連絡し、登録した発注希望額の1%を紹介料としてサイト運営者に支払う。その段階で、サイト運営者は、企業名や連絡先など具体的な情報を両者に送信。両者は詳細な条件などを詰めた上で工事を開始する仕組みだ。
同社は、2007年5月に同システムを開発し、ビジネスモデル特許を申請。同年7月から対象を東海地区に絞ってテスト運営を開始したところ、これまでに221社の会員登録と民間工事37件の成約があったため、対象を全国に拡大することにした。同社が運営本部となり、全国を12地区に分けて、地域ごとの運営は地元建設会社などによるフランチャイズ方式で展開する方針だ。
同社は、同システムを利用すれば、工事費の低減や建設業界の重層構造の解消につながる上、ネットワークの拡大や建設業界全体の仕事量の平準化を進める効果があるとしている。

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