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設備工事業の受注高が6ヵ月連続の減少　平成21年1月分は前年同月比23.2%減
2009年4月9日
3月31日に国土交通省から「平成21年1月分（速報）の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。発表された基礎統計資料によると、平成21年1月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,482億円で前年同月比23.2%減となり、6ヵ月連続の減少となった。発注者別に見ると、民間は1,272億円で前年同月比27.2%減と、6ヵ月連続の減少となった。一方、官公庁は210億円で同22.7%増となり、4ヵ月ぶりの増加となった。工事種類別の受注高は次のとおり。電気工事＝830億円で前年同月比13.9%減（民間17.6%減、官公庁44.0%増）管工事＝617億円で同25.3%減（民間32.3%減、官公庁30.8%増）計装工事＝163億円で同23.4%減（民間29.2%減、官公庁22.1%増）本調査結果は、（社）日本電設工業協会（主要20社）、（社）日本空調衛生工事業協会（主要20社）、（社）日本計装工業会（主要20社）の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

国土交通省がCALS/ECの新実施計画「国土交通省CALS/ECアクションプログラム2008」を発表
2009年4月9日
国土交通省は、CALS/ECに関する実施計画であり、今後の取り組みの方向性を明らかにした「国土交通省CALS/ECアクションプログラム2008」を策定し、3月31日にこれを発表した。同省は、同アクションプログラムの策定にあたり、これまでのアクションプログラムの成果を踏まえ、工事生産性の向上（コスト縮減、スピードアップ化）、維持管理の効率化、透明性の確保を図る観点から、6つの重点分野において、ICT技術を活用した建設生産システム（社会資本監理システム）を構築することを基本方針として設定したとしている。なお、同アクションプロクラムで設定した6つの重点分野および目標は、目標-①「入札契約書類の完全電子化による手続きの効率化」目標-②「受発注者間のコミュニケーションの円滑化」目標-③「調査・計画・設計・施工・管理を通じて利用可能な電子データの利活用」目標-④「情報化施工の普及推進による工事の品質向上」目標-⑤「電子納品化に対応した品質検査技術の開発」目標-⑥「CALS/ECの普及」となっており、同アクションプログラムでは、それぞれの目標について、平成20年度から平成22年度までの3年間を対象に具体的な実施計画を示している。詳細は、国土交通省のホームページで公開されている。URLは次のとおり。 http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000045.html

（社）東京建設業協会 IT研究会が「建設IT読本2009」を発行
2009年4月9日
（社）東京建設業協会 IT研究会は、建設現場担当者のITスキル向上を目的とした「建設IT読本2009」を発行した。同研究会は、東京都でも電子入札が本格実施されるなど、建設業を取り巻く環境が急速に進展していることを鑑み、「建設会社の利益に結びつくITの研究および支援」を目的として、2004年5月14日に設立。同書は、同研究会が2007年3月に発行した現場ですぐに役立つIT活用法を取りまとめた「建設IT読本」の内容を全面的に改訂し、より充実させたものだ。同書の構成は、「第1章　今なぜ建設現場でITが必要か？」、「第2章　今日から使える建設現場でのIT活用術」、「第3章　意外と知らない電子納品の落とし穴」、「第4章　建設現場における工事情報共有について」、「第5章　建設現場におけるネットワーク構築の実際」、「第6章　建設現場における情報セキュリティ対策について」の全6章となっている。今回の改訂では、第1章、第2章、第6章の情報を更新し、新たに第3章、第4章、第5章を追加して、さらに実務に役立つよう内容を充実させている。同書は、下記の同協会のホームページにて、無償でダウンロード提供されているほか、同協会の会員には無料、会員外の方には実費で、冊子での提供も行っている。同書のダウンロードおよび申し込みの詳細については、下記URLに掲載されている。 http://token.or.jp/book/book090313.html

大成建設が建設プロセスにおける管理情報をWeb上で情報共有する管理システムの運用を開始
2009年4月23日
大成建設は、設計施工の建築プロジェクトにおいて、企画・計画から設計・施工段階までのプロセス管理を顧客とWeb上で情報共有できる管理システム「プロジェクトNet」の運用を開始すると発表した。同システムは、PFI事業などによる大規模開発や医薬品・電子デバイスといった高度な工場施設・研究施設などの建設プロセスで、関係者が行うさまざまなやりとりや成果物の進捗状況などを常時確認できるもの。2003年6月から運用中の施工情報共有システム「作業所Net」をベースに構築。「作業所Net」は、現在、自社施工の建築・土木の全現場に導入し、社外関係者4,000者以上が参加しており、情報セキュリティについては実証済みだ。同システムでは、建設プロジェクトの企画・計画から設計・施工段階までに関わる各種法規制への対応や、品質・コスト・工程管理、関係者間の調整などの進捗状況をWeb上で確認できる。具体的には、Web上で確認する計画書や見積書、設計図書、確認申請・検査などといった各段階での予定成果品とスケジュールを事前に設定。関係者は予定時期までに成果品を提出し、システム内に格納する。Web上での必要な手続きが完了すると、更新情報を関係者に電子メールで伝達するもの。顧客などのプロジェクト関係者は、多種多様な成果品と時系列に整理されたリストを閲覧することで、全体のスケジュールを把握できるとともに、成果品の履歴（実施や未納・未決など）をチェックすることで、最新の作業状況をリアルタイムに確認可能だ。同社は、近く実案件で本格運用を開始する予定で、複雑化する事業での進行過程の透明化を図り、業務の効率化、顧客満足度の向上につなげる考えだ。

東急建設が建築空間の音響障害予測・判別システムを開発
2009年4月23日
東急建設は、音楽ホールや劇場などの音響関連施設の設計において、発生が見込まれる音響障害を予測・判別するシステムを開発した。同システムは、神戸大学大学院工学部研究科森本政之教授の指導を得て開発。ドーム等の空間において2つの音が分離して聴こえる現象「エコー障害」の発生を予測することに特化した音響設計支援ツールで、これまで音響性能の確保が難しかったドーム空間等の設計に効果を発揮する。空間形状や内装仕様の異なる300超の条件での音響計測結果、聴感実験データに基づき構築されており、同社では、高い精度でエコー障害の発生の予測が可能としている。同システムは、基本設計段階における簡易検討で使用する「ツールⅠ」、シミュレーションを伴う詳細検討で使用する「ツールⅡ」で構成。「ツールⅠ」は、統計的なアプローチによる判別式で、建築諸元に基づく形状、内装条件、観測位置等5～12個程度の情報を入力するだけで、約80%の判別率でエコー障害発生の可能性を予測する。これにより、音響検討の時間は大幅に短縮され、設計者はデザインの完成度を高める時間を充実させることができるとしている。「ツールⅡ」は、既存の音響シミュレーションを利用した波形解析によって、より詳細な予測を行うツール。波形解析では心理実験結果と対応の良いエコー指標を用いて、エコーの発生条件をより高い精度で求めることが可能だ。両ツールは、計画の進捗や要求性能に応じて使いわける。いずれも模型音場で得られた多数の聴感実験に基づき、室内の観測位置ごとにエコー発生の有無を予測する。同社は、音響ホールや劇場のみならず、音声伝送が重要視される公共空間（駅舎、イベント空間）、学校施設（音楽教室、体育館）等の新築、リニューアル工事に適用し、社内外で設計支援を行う方針。同時に、新規実測データをデータベースに追加し、同システムの予測精度向上を図る考えだ。

日立製作所とNTTファシリティーズがデータセンターの省電力運用管理基盤システムを開発
2009年4月23日
日立製作所とNTTファシリティーズは、データセンターの省電力運用管理基盤システムを開発した。同システムは、IT機器とファシリティのそれぞれの稼働状況を共通のアプリケーション上で一元管理するもの。データセンターの運用情報の「見える化」と、双方の稼働状況に応じたきめ細かな「連係制御」により、データセンター全体の最適化を実現する。両社は、IT機器とファシリティとの高度な統合運用を実現するため、日立の統合サービスプラットフオーム「BladeSymphony（ブレードシンフォニー）」とNTTファシリティーズの高効率空調機「FMACS-Ⅴ（エフマックス・ファイブ）」に省電力統合運用のためのインターフェース情報を定義。IT機器とファシリティの稼動状況および設定情報を、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」とネットワークを介してやりとりできる同システムを開発した。これにより、IT機器とファシリティを一元的に管理し、省電力運用の全体最適化を行う基盤を整えたとしている。同システムでは、IT機器とファシリティ双方の運用情報を通常時から異常時までリアルタイムで収集し、「JP1」の管理画面上に表示。運用情報を「見える化」することで、運用の効率化や過度な設備投資の抑制などに貢献する。さらにIT機器とファシリティの「連係制御」により、過剰になりがちなデータセンターの空調機の冷房能力や風量を動的に制御。IT機器と空調機の消費電力の最適化を図り、データセンター全体の省電力化につなげる。同システムの導入により、空調機を中心としたファシリティの消費電力を約10％削減可能で、二酸化炭素（CO₂）排出量を年間約7万トン制御できるという。両社は、同システムの構築で定義したインターフェース情報を他のITベンダーやファシリティベンダーも利用できるよう、「BladeSymphony」および「FMACS-V」の技術資料として公開する方針だ。

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