設備工事業の受注高が7ヵ月連続の減少 平成21年2月分は前年同月比16.9%減 |
2009年5月14日 |
4月30日に国土交通省から「平成21年2月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成21年2月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,659億円で前年同月比16.9%減となり、7ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,426億円で前年同月比21.7%減と、7ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は233億円で同31.6%増となり、2ヵ月連続の増加となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=739億円で前年同月比24.0%減(民間24.6%減、官公庁17.7%減)
管工事=868億円で同9.7%減(民間18.6%減、官公庁89.5%増)
計装工事=243億円で同4.7%減(民間3.4%増、官公庁30.3%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
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前田建設工業が3次元CADを活用した提案活動を強化へ |
2009年5月14日 |
前田建設工業は、建築設計部内の専門技術陣を「3D・シームレスチーム」という正式名称で4月から組織化。3次元CADを活用した提案活動を強化する。併せて、今期の新人研修で3次元CADに関するカリキュラムを新たに組み込んだ。
3次元CADは、コンピュータ内で仮想建物を立体的に構築しながら設計作業を進めるため、設計図に描かれた形状や納まり具合などを立体画像でリアルタイムに確認でき、営業上のコミュニケーションツールとしての役割を果たす。また、建物の構成部材の材種、数量などの情報を付加することで、設計の途中段階でも建設コストを随時把握することも可能だ。
今回、新たに組織化した「3D・シームレスチーム」は約30人の体制で、建築設計本部内の部署では最大規模だ。3次元CADを通じて設計と施工が一体となることをチーム名で表現し、社内外に専門組織としての存在感をアピールする考えだ。
また、建築設計本部に配属された新入社員の研修では、3次元CADに関するカリキュラムを新たに追加。今期配属の10人を対象にした1週間の研修では、「3D・シームレスチーム」の関係者が講師を務め、3次元CADの使い方などをレクチャーした。研修期間中に3次元CADを用いた設計コンペを実施し、研修参加者の競争意識を刺激してモチベーションを高めながら、より実践的な環境でのスキルアップを促した。
同社は、2001年から建築の意匠・構造・設備といった設計業務の効率化を目的に3次元CADを本格的に導入。建築主や関係者とのコミュニケーション不足によるミスの排除、顧客満足度向上などのプラス効果が期待できることから、全社的に水平展開してきた。今後は、戦略的な人材育成を行い、社員のスキル向上を図りながら、3次元CADを差別化技術として顧客に積極的にアピールしていく考えだ。
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高砂熱学工業がエリアやフロア単位で空調と照明を連携制御し省エネを実現するシステムを開発 |
2009年5月14日 |
高砂熱学工業は、事務所ビルなどのリニューアル向けに、空調・照明・入退室管理などをフロアごとに一元的に管理可能な「フロア統合コントローラ」(FIC)を開発、販売を開始した。
同システムは、中央監視装置1台に対して、FIC24台(1台あたり最大1,000点まで設備が接続可能)を接続できる。設備点数やテナントに応じて、複数フロアを1台のFICで管理することはもちろん、1フロアをいくつかのエリアに分けて複数台のFICで管理することもできる。同社のデータ収集・分析ソフト「GODA」と連携させることで、エネルギー使用データの分析、コンサルティングも可能だ。
同システムでは、リニューアルを行うフロア(エリア)の設備を、既存の縦割りの制御系統から切り離し、それぞれのフロアごとに設備の種類を問わず一元管理する。そのため、高度な設備間の連携や情報共有制御も可能だ。事務所ビル全体およびオフィス占有部の消費エネルギー量のうち、約70%を占める空調設備と照明設備をフロアやエリア単位で管理することにより、オフィスビル(延べ床面積10,000m2程度)のオフィス専有部分のエネルギー消費を約10%、建物全体では約3%削減できるとしている。
また、フロアごとにリニューアルが可能なため、全フロアの空調を一度に更新する必要がなく、テナントの入居状況などに合わせ、稼働率を下げずに設備投資を行え、中央監視・空調・照明制御システム全体を従来の方式で施工した場合と比較して、イニシャルコストも約10%程度の低減が見込めるとしている。
同社は、中央監視装置のリニューアルが必要な物件や、フロアやエリアごとの照明等の管理に適した事務所ビル、大学などを対象に、比較的小規模のリニューアル工事に対して営業を推進する方針。FICの機器と制御ソフト、エンジニアリングなどを含めたシステムとして、初年度5〜10件の受注で5億円の売上を目指すとしている。
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省エネルギーセンターが業務用ビルの省エネ対策導入効果計算ツールを開発 |
2009年5月28日 |
(財)省エネルギーセンターは、ビル管理者などがビルに各種の省エネ対策を採用した場合の効果を算定できる業務用ビルのエネルギー消費目標算定ツール「ECTT(エクト)」を開発した。
同ツールは、同センターが以前に開発したエネルギー消費シミュレーションプログラムである原単位管理ツール「ESUM(イーサム)」を活用。同システムに標準的なオフィスビルと百貨店、総合スーパー・ショッピングセンターのモデルデータと、省エネ設備機器などを導入した場合のエネルギー消費量を事前に設定したものだ。あらかじめ設備機器などのエネルギー消費量を設定しているため、専門家でなくとも建物用途や地域、床面積、階数などを入力するだけで64種類の省エネ対策効果を算出できるとしている。なお、エネルギー量はジュールや原油(KL)換算で表示される。
入力項目は建物用途、建物名称、地域、部門別床面積、地上・地下階数、外壁・屋根・ガラス仕様、平均在館人数、主熱源情報。対策は「設備機器の運転管理の改善や機器調整」(29項目)、「設備機器の小規模な改修・更新」(18項目)、「大規模な改修・更新」(17項目)に3分類され、各項目を自由に選定して比較評価が可能だ。部門別、設備別の算出も可能で、各地の気象データを活用した365日24時間の詳細なエネルギー消費量も計算できるという。さらに、建物管理者などが各種対策を行った場合の最大省エネルギー量も算出可能だ。
同センターでは、省エネ法の改正により、業務用ビルの法適用範囲が拡大し、業務用ビルの省エネ対策が強化されたことを受けて同ツールを開発した。
なお、同ツールは同センターのホームページ(http://www.eccj.or.jp/)から無償でダウンロードが可能だ。
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新日本空調がオフィスの在席者の有無を検知し消費電力の約30%削減を実現するシステムを開発 |
2009年5月28日 |
新日本空調は、オフィス空間において在席者の有無を検知し、小単位で制御可能な空調・照明一体制御システム「ツインセーブ」を開発し、販売を開始した。
同システムは、オフィス空間において細分化したモジュール単位で、在席者の有無を検知し、空調・照明を制御することにより、不在エリアでの無駄なエネルギー消費削減を目的とした空調・照明一体制御システム。システムの主要機器は、制御端末、PLC(設定・演算・制御コントローラー)、液晶タッチパネルで構成する。10〜20m2のモジュールごとに人感・照度・温度センサー、制御・電源回路およびネットワーク端末を搭載した制御端末を設置。可変風量装置(VAV)が接続されている空調機系統を基本系統として、調光式インバーター照明などを接続する。モジュール内の在席者の有無によって空調や照明を制御・計測・監視し、不在エリアでのエネルギー浪費を減らすことで、消費電力を約30%削減できるという。
モジュールごとに運転スケジュール、照明制御、空調(VAV)制御、AHU制御が可能だ。下位通信にはシリアル・イーサーネット、上位通信(オプション)は各種通信が選択でき、レイアウトや間仕切り変更にも柔軟に対応可能としている。
同社は4月から、本社受付エリアを対象に同システムを導入し、PRを兼ねて運用を開始。省エネルギー化ソリューション技術として、リニューアル物件を中心に営業展開し、2009年度3億円、2010年度10億円の販売を目指す考えだ。
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住友大阪セメントらが携帯画像に進行方向表示する歩行者ナビゲーションシステムを開発 |
2009年5月28日 |
住友大阪セメントは、カメラ付き携帯電話とインターロッキングブロック(ILB)を用いた新しい歩行者ナビゲーションシステムを、埼玉大学大学院の長谷川孝明教授と共同で開発した。
同システムは、ウィジウィアス(WYSIWYAS:What You See Is What You Are Suggested)「見たままにお進みください」を基本設計概念としており、特別なインフラ整備をすることなく、地図による解釈を必要としない、直感的な道案内システム。コンシェルジュ性を最大の特長としており、利用者が求める情報をナビゲーションするデータベースの構築が可能だ。
複数の色や形が異なるILBを一定の規則で組み合わせて敷設するのが特徴で、ブロックの配列そのものに2,500km程度の位置情報が盛り込まれており、これを基にナビゲーションする。利用者は、現在地のILBを通常の目の高さからカメラ付き携帯電話で撮影し、写真を添付した電子メールに目的地を入力。ブロックの配列情報と地図データを蓄積しているサーバーに携帯から送信する。サーバー側では、撮影したブロックの配列を認識し、画像に写るコンクリートブロックの地図上の位置を特定する仕組みだ。メールを送信してから約1.5秒後には、目的地までの距離と進行方向表示した写真と案内文が利用者の携帯電話に返信される。携帯電話で自分が撮影した画像に進行方向が示されるため、利用者は迷うことなく目的地に進むことが可能だ。焦点の合わない画像や夜間の画像でも、ブロックが画像に写っていれば高い精度で認識できるという。
同システムは、携帯電話の電波が届く場所であればどこでも利用できる上、自分で地図を読み取ることが不要。地図を見ても現在位置が把握しづらい都市の繁華街や、衛星利用測位システム(GPS)の電波が届かない地下街などでの活用が期待できるとしている。
同社は今後、同システムの検討を進め、早期の事業化を目指す考えだ。
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