設備工事業の受注高が11ヵ月連続の減少 平成21年8月分は前年同月比29.1%減 |
2009年11月12日 |
10月30日に国土交通省から「平成21年8月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成21年8月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,606億円で前年同月比29.1%減となり、11ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,376億円で前年同月比30.2%減と、10ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は230億円で同22.0%減となり、3ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=762億円で前年同月比31.8%減(民間35.3%減、官公庁3.5%減)
管工事=732億円で同26.6%減(民間24.4%減、官公庁39.2%減)
計装工事=173億円で同23.0%減(民間25.9%減、官公庁4.4%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
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熊谷組らが透明ディスプレイを用いて音を可視化する「音メガネ」を開発 |
2009年11月12日 |
熊谷組は、中部電力、信州大学と共同で、音を透明ディスプレイに視覚的に表示できる「音メガネ(サウンド・ルーペ)」を開発した。
同装置は、音を可視化して騒音対策などに役立てる音カメラの第4弾として開発したもの。先に3者で共同開発した「リアルタイム音カメラ」の技術を用い、軽量小型な透明ディスプレイ上に映像化した音を表示。モニターを通さず、ルーペのように実映像と映像化された音の発生状況を同時に見ることができ、音の発生方向・大きさといった情報をその場で簡単に確認可能だ。また、従来品は、カメラから取り込んだ画像上に、音の可視化情報をリアルタイムで合成処理し、モニター上に表示させるシステムであったことから、ハードウェアのサイズが大きく容易に持ち運ぶことが困難であった。同装置は、映像の合成処理が不要となることなどから、従来品に比べ2割ほど小型・軽量化し、可搬性にも優れているため、リアルタイムでの作業性を高めたほか、建物の内部や自動車内部など狭い空間でも使用可能になったという。
同装置は、5個の小型マイクで構成するマイクユニット、アンプ、ローパスフィルター、ノートパソコン、コントローラーを搭載した無機ELディスプレイで構成。無機ELディスプレイを通して見る音源周辺に円を表示し、音が大きいほど円が大きく表示される仕組み。人間の耳で聞こえる100〜5,000Hzの音を可視化可能。特定の音域の音だけを表示するように設定することもできる。また、無機ELディスプレイの代わりに小型カメラとビデオキャプチャーを取り付ければ、従来の音カメラとして音の詳細分析にも使用可能だ。
同社は、同装置による騒音分析などを足がかりにした建設現場や工場などの騒音対策、静音化を獲得するツールとしてだけでなく、将来的には建設や産業分野以外の福祉や警備などの用途への応用も視野に入れている。
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新日本空調がエネルギー効率運用を支援する遠隔監視システムを開発 |
2009年11月12日 |
新日本空調は、より効果的にエネルギー使用状況を把握し、省エネルギー効率運用を可能にする遠隔監視システム「SMART(スマート)」を開発し、このほど販売を開始した。
同システムは、電力量や流量を計測する装置とデータ収集装置、通信ユニット、サーバーコンピュータで構成。既設の動力板から信号を受け取り、同システムのサーバーでデータを管理する。無線LANなど、さまざまなデータ接続に対応しているのが特徴で、インターネットを利用して、Webブラウザ上でデータを閲覧できる。新設、既設を問わず導入が可能で、安価な初期投資でシステム構築が可能だ。
同システムでは、サーバーを顧客に設置する方式と、同社に設置したサーバーのエネルギー管理機能を利用する方式を選択可能。また、専門技術者によるエネルギー診断や設備の改善提案、補助金適用支援、エネルギー管理報告書や計画書作成支援を無償で提供するとしている。
同システムの導入費用は、3年契約で年間35万円(通信費用および計測ユニットは別途)。販売開始にあたり、初年度は基本システムを無償で提供し、エネルギー効率運用サービスを実施するという。
同社は、空調と照明を一体で制御する「ツインセーブ」とのデータ連携や、エネルギー診断、設備改善提案といったエネルギー効率運用サービスの中核技術として活用していく考え。設備の運用管理や改善提案などのエネルギー運用サービスによって空調機器の更新需要を掘り起こし、年間50億円程度の熱源更新工事の受注を目指していく方針だ。
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東洋熱工業らが設備の運転管理改善事例表彰で最優秀賞を受賞 |
2009年11月26日 |
東洋熱工業は、(財)ヒートポンプ・蓄熱センターが主催する「第6回ヒートポンプ・蓄熱システム運転管理等の改善事例」表彰において、「ホテルベルナティオ・省エネルギー活動の一環として実施した蓄熱改善事例」の実績により、東京電力、当間高原リゾートと連名で最優秀賞を受賞した。同センターの改善事例表彰は今回が6回目となるが、最優秀賞の該当事例は今回が初めてとなる。
今回、最優秀賞に選出されたのは、当間高原リゾートが新潟県十日町市で運営する「ホテルベルナティオ」の蓄熱システムの改善事例。この業績のもとになるデータは、同社の遠隔集中エネルギー管理システム「エリア・エネルギー・マネジメント・システム(AEMS)」を利用して収集したもので、2006年10月から東洋熱工業、東京電力、当間高原リゾートの3者で「省エネルギー対策実施体制」を整備して定期的な会合を開き、設備の運用改善に取り組んだ結果が評価された。
具体的には、「蓄熱槽の低温化、利用温度差拡大および槽水量増量などによる蓄熱量拡大」や「ピーク時間帯(13:00〜16:00)の電力デマンド抑制拡大」、「水質分析による薬剤注入中止」、「ハイブリット給湯システムの採用などの施策により年間107tのCO2削減と夜間電力移行率の向上」といった成果を実現したとしている。
今回の受賞では、長期間にわたって事前データを収集したこと、省エネを実現するためのストーリーをあらかじめ設定し、それに沿ったデータ計測、改善を行ったこと、設備オーナー・運転管理者・施工会社の連携体制が整備されていたことが高く評価された。
同社は、同システムの活用により、継続的な遠隔自動計測システムの有効性が示されたことで、同様な施策を今後も展開していく考えだ。
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三機工業が大規模クリーンルーム向け水噴霧加湿システムを開発 |
2009年11月26日 |
三機工業は、半導体工場などの大規模クリーンルーム対象とした省エネルギー水噴霧加湿システム「Econo-Fog One(エコノフォグワン)」を開発した。同システムは、2005年に開発した水と圧縮空気で極微細な霧を作り加湿する「Econo-Fog(エコノフォグ)」をさらに改良し、水だけでより簡単に加湿を行うシステムだ。
同システムは、ミストを噴霧する高圧一流体ノズル、噴霧水量を制御する制御弁、湿度センサー、高圧ポンプ、制御装置で構成。クリーンルームの発熱を利用して、床下から天井裏に対流する空気に水を噴霧し、少ない消費エネルギーでクリーンルーム内の加湿と冷却を同時に行えるのが特徴だ。高圧一流体ノズルから噴霧されるミストの平均粒径は20〜30μmで、従来技術のEcono-Fogで用いた二流体ノズルの5〜20μmと比較して大きいものの、クリーンルームのレタンシャフトや床下スペースの気流に乗せて気化させる技術と、ON/OFF動作の加湿弁を時間比例制御する技術を確立することで、±0.2%という高精度な湿度制御を確保したとしている。
水1tを加湿するためのCO2排出量で比較すると、蒸気式では年間160kgのCO2を排出するが、同システムでは、年間1.2kgに抑えることができ、100分の1以下の排出量になるという。
同システムは、半導体やフラットパネルディスプレイ工場で、すでに4件の導入実績を持ち、1物件あたりの平均導入コストは約4,000万円としている。同社は今後、既存工場を稼働させながらシステムをリニューアルしてランニングコストを大幅に低減させるとともに、CO2排出量を削減できるシステムとして、リニューアル物件を中心に同システムを積極的に提案し、年間5件程度の導入を目指す方針だ。
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日本建築学会が第32回情報・システム・利用・技術シンポジウムを開催 |
2009年11月26日 |
(社)日本建築学会は、「第32回情報・システム・利用・技術シンポジウム」を12月3日(木)〜4日(金)の2日間、東京都港区の建築会館ホールおよび同会議室で開催する。
同シンポジウムは、IT のさらなる可能性を追求する場の提供を目的として、同学会の情報システム技術委員会が実施するもの。論文および技術報告の発表、各小委員会による研究集会等を行う。
開催初日の3日(木)には、「設計情報メディアの進化−BIM・アルゴリズミックデザイン・デジタルファブリケーション−」をテーマとして、慶應義塾大学の池田靖史氏をモデレータに、サイモンフレイザー大学のRob Woodbury氏、ハーバード大学のKostas Terzidis氏、IAI 日本代表理事の山下純一氏、アラップジャパンの城所竜太氏の4氏をパネリストに迎え、オープニングシンポジウムを開催。設計情報を伝達し展開するためのメディアが進化し、生産や施工の方法から発想スタディや構造計算の理論に至るまでをこれまで以上に連続させることで、建築デザインにどのような変化が起きるのか、その可能性について議論がされる。
また、開催2日目の4日(金)には、「BIM活用の現状と課題」をテーマに、村松弘治氏(安井建築設計事務所)、永瀬修氏(日建設計)、猪里孝司氏(大成建設)、田部井明氏(竹中工務店)、綱川隆司氏(前田建設工業)、伊藤正比呂氏(大成建設)、岡正樹氏(CIラボ)を講師に迎え、創造性、生産性向上などBIMがもたらす今後の方向性について討議がされる。
このほか、開催2日間にわたり論文/報告発表講演プログラムが多数組まれている。
定員は160名(当日会場先着順)。参加費は、シンポジウム全体が会員9,000円、登録メンバー11,000円、会員外12,000円、学生5,000円(資料代5,000円含む)。研究集会のみの場合は、会員2,000円、登録メンバー2,500円、
会員外3,000円、学生1,000円(資料代1,000円含む)となっている。
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