設備工事業の受注高が2ヵ月連続の減少 平成22年5月分は前年同月比21.9%減
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2010年8月16日 |
7月30日に国土交通省から「平成22年5月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成22年5月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,487億円で前年同月比21.9%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,308億円で前年同月比12.4%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は179億円で同56.6%減となり、2ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=797億円で前年同月比20.5%減(民間3.2%減、官公庁66.5%減)
管工事=590億円で同22.9%減(民間19.6%減、官公庁42.1%減)
計装工事=162億円で同22.8%減(民間24.5%減、官公庁12.5%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生
工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
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国土交通省官庁営繕部が空気調和システムのライフサイクルエネルギーマネジメントガイドラインを策定
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2010年8月16日 |
国土交通省官庁営繕部は、公共施設の空気調和システムのエネルギー性能を向上させるために指標、目標設定、検討事項などについてとりまとめた「空気調和システムのライフサイクルエネルギーマネジメント(LCEM)ガイドライン」を策定し、同省のホームページで公開した。
LECMとは、ライフサイクルを通じて、エネルギー性能の一貫したマネジメント(目標の設定、性能の検証、改善等)を行うこと。
同ガイドラインは、公共施設に関わる営繕関係職員が、公共施設の企画から計画、設計、施工、運転管理を通じたエネルギーに関するマネジメントを行うにあたり、空調システムのエネルギー向上に必要な事項を示したもの。エネルギー性能の目標値の設定から、目標値を満たす空調システムの選定と性能検証、試運転調整、改修メニューの選定といった手順を詳細に解説。公共施設における空調システムの利用によるCO2排出量や光熱水費の削減を目的としている。
LCEMツールについては、表計算ソフトを用いたシミュレーションソフトで、エネルギー性能における最適なシステムの選定や運用管理段階における問題点の類推、改修による効果の試算などを簡易に行える点が特長。部分負荷時となるさまざまな外気条件・室内状況に対応した検証・定量的評価が可能だ。また、LECMの実施にあたっては、「空調システムの期間一次エネルギー消費量」、「空調システムの期間成績係数」、「機器単体の期間成績係数」の指標を用いて評価するものとし、エネルギー性能の適切な目標を設定することとしている。
同省によると、事務庁舎で使用するエネルギーのうち3割程度は空調システムで占められ、空調システムの省エネ対策を進めることで建物全体のエネルギー消費の抑制につながるとみている。今後は、公共施設を整備・運営する省庁や自治体などに同ガイドラインの活用を促していく考えだ。
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大成建設らが人を検知して照明・空調を最適制御し消費エネルギーを50%削減する自動環境制御システムを開発
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2010年8月16日 |
大成建設と東光電気は、共同開発した「次世代型人検知センサー」を利用し、人の在席状況に応じてゾーン単位で空調および照明を自動制御し、エネルギー消費を最小化する自動環境制御システム「T-Zone Saver」を開発し、東光電気社屋での運用を開始したと発表した。
同システムの中核をなす技術が「次世代型人検知センサー」だ。同センサーは、人体が発する温度そのものを認識し、静止体も含めた人の「在/不在」をリアルタイムで認識。着席して静止している人を検知できず消灯してしまう従来の人感センサーの欠点を克服した。同システムは、同センサーを活用し、設定した範囲内における人の「在/不在」情報と在席率情報を常時正確に把握し、ゾーン単位で最適な制御を行うことで、空調・照明設備のエネルギー消費を最小化(スマート制御)することが可能になったとしている。
空調設備においては、不在ゾーンでは、設定温度や運転モードの軽減を行うと同時に、在席率に応じた外気量抑制を行い、空調負荷を低減。中央熱源方式の空調システムやヒートポンプを使ったビル用マルチエアコン方式に同システムを導入することで、さらなる省エネ効果が期待できるという。また、照明設備においては、在席ゾーンに隣接した不在ゾーンでは照度を低く制御。一定距離を置いた不在ゾーンは消灯するなどの緻密な制御を行い、快適性と照明負荷の低減を両立させている。このほか、制御変更の反応が速いLED照明や高効率機器を用いたオフィスに同システムを導入することで、従来の一般的なオフィスと比較して、建物全体でおよそ50%の消費エネルギー・CO²削減効果が見込めるとしている。
同社は今後、エリア内の「在/不在」情報をリアルタイムでモニターできる機能をセキュリティや防災面に活用するなど、多用途への展開を図っていく考えだ。
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日建設計らが打ち水効果で建物周辺の空気を冷却する環境配慮型外装システムを開発
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2010年08月30日 |
日建設計は、TOTO、アベルコと共同で、打ち水効果で建物周辺を冷却し、ヒートアイランド現象を抑制する、すだれ状の環境配慮型外装システム「バイオスキン」を開発した。世界でも初の試みとのことで、品川区大崎で建設中のソニー新オフィスビルに初採用された。
同システムは、多孔質の陶器管に通した雨水が、管の表面から蒸発する際に生じる気化熱で周辺の空気を冷却する仕組み。水を効果的に吸水・蒸発させる高保水性陶器管「高保水性テラコッタルーバー」に雨水を通すことで、建物自体が打ち水効果を発揮するという。
ソニーの新オフィスビルは、日建設計が設計・監理、鹿島が施工を担当。同ビルの東面全体にバイオスキンを配した。実大模型での実験や数値解析の結果、南から吹く卓越風をバイオスキンで冷却することで、地表面の気温が約2℃下がると試算している。
陶器管には、TOTOが保有する保水、光触媒、窯業の3つの技術を導入。水を蓄えて蒸発させるだけでなく、光触媒によるセルフクリーニングや抗菌・抗カビ、空気浄化(特に窒素酸化物の無害化)の機能を持たせた。蒸発機能を向上させるため、陶器管の表面に研磨処理を施しており、1日の蒸散量は、20t〜30tにもなるという。陶器管は、重さは約10kgと軽量で、メンテナンス時の部材交換も容易だとしている。取り付けは、鋼材量が少なく、シンプルな外観になるテンションロッド工法を採用。陶器管とアルミルーバーを一体化したユニットを現場で組み上げ、ステンレス鋼棒に引っ張り力を加えて支持している。
3社では、“建物を造ると環境が良くなる”という新たな発想の環境技術として、同システムの特許を申請中だ。
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三井住友建設が建物の温暖化対策の実効性を「見える化」する周辺環境エンジニアリングツールを開発
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2010年08月30日 |
三井住友建設は、建物の温暖化対策や都市のヒートアイランド対策について、さまざまな角度から温暖化対策の実効性を判断するための周辺環境エンジニアリングツール「Cooling Together」を開発、実用化した。
同ツールは、「風環境シミュレーション」、「熱環境シミュレーション」、「総合的環境性能評価(CASBEE-HI)」、「機能性建材データベース」で構成。外壁面(ファサード)・地盤面などの建築材料や建物の配棟計画による温暖化対策の効果を、コンピュータシミュレーションを駆使して、さまざまな角度から「数値化・見える化」する。強力で実効力のある温暖化対策や周辺環境の改善の実現に役立てる。
同ツールでは、「熱環境シミュレーション」による建物・地盤面の表面温度と建物熱負荷の予測、「風環境シミュレーション」による風の通り道の検討、「CASBEE-HI」による総合的・相対的な環境性能評価を行う。また、同社独自の温暖化対策技術や一般公開されている各種温暖化対策技術を広範囲に集積した社内データベースの利用で、最適な対策技術を提案するとしている。
同ツールにより、温暖化対策の効果を視覚的に理解でき、効果を「数値化」することで、CO2削減量やエネルギー削減量による電気料金・ガス料金などのランニングコストの削減量を、計画段階から「見える化」できるという。環境負荷低減やエネルギー削減を「見える化・数値化」することで、デベロッパーからエンドユーザーへのアピールにも役立つと同時に、建物オーナーにとってもランニングコスト削減率を視覚的に確認でき、周辺環境に関する社会貢献をわかりやすく認識可能になるという。
同社では、同ツールにより評価された、実効性のある環境負荷低減技術を導入した建物の提案を通して、CO2排出量削減への貢献や、生活コストの低減を実現する考えだ。
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東急建設が登下校情報の一斉メール配信システムを愛媛県四国中央市に一括導入
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2010年08月30日 |
東急建設は、登下校情報の一斉メール配信システム「広域版登下校管理システム(小・中学校メール配信システム)」を愛媛県四国中央市に納入した。
同システムは、同社開発の学内業務支援システムである「CONPAS-S」をベースとして、四国中央市向けに独自仕様として開発したもの。総務省が提唱するユビキタスタウン構想推進事業(地域ICT利活用推進交付金)に基づく「四国中央市子育て支援ユビキタススクール推進事業」の一環として、FeliCaポケットICカードを活用して、児童の登下校時間をメール配信する機能や台風災害、インフルエンザ等による学級閉鎖、凶悪事件発生時などの緊急事態が生じた際に、保護者へ緊急連絡事項をメール配信する機能を有するシステムだ。
同システムは、市立小学校19校、中学校7校(合計25校)を対象としたメール配信システムで、小学校では、登下校時に児童がFeliCaポケットICカードをカードリーダーにタッチすると保護者にメール配信され、 同システムを利用した連絡網メールを配信する。中学校では、連絡網メールの機能のみ利用するとしている。
ベースとなった「CONPAS-S」は、都内の私立小学校でも採用されており、連絡メッセージ一斉配信機能、アンケートメール機能、保護者サイトからの欠席連絡機能など、学校だけではなく保護者の利便性を高める機能も揃えている。「CONPAS-S」の基本仕様が、今回採用されたシステムの要件を満たすものが多く、同市独自仕様のカスタマイズの開発期間を短期間で行えたこと、また、最大の受注要因として、高速で安定的なメール配信システムが挙げられ、同市からの要望は、最大で約5,000人の児童の保護者(約10,000通)に対して、15分以内で配信できることが重要なポイントであったとしている。
同社は今後、学校のニーズに対応したシステムソリューションを提供することにより、建物の付加価値向上に寄与したい考えだ。
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