設備工事業の受注高が2ヵ月ぶりの減少 平成22年4月分は前年同月比30.6%減
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2010年7月9日 |
6月30日に国土交通省から「平成22年4月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発注者別に見ると、民間は2,860億円で前年同月比37.5%増と、2ヵ月ぶりの増加となった。
発表された基礎統計資料によると、平成22年4月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,596億円で前年同月比30.6%減となり、2ヵ月ぶりの減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,430億円で前年同月比29.3%減となり、2ヵ月ぶりの減少となった。
一方、官公庁は166億円で同40.1%減となり、2ヵ月ぶりの減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=817億円で前年同月比25.1%減(民間25.3%減、官公庁24.0%減)
管工事=659億円で同29.5%減(民間28.0%減、官公庁41.6%減)
計装工事=165億円で同53.4%減(民間51.1%減、官公庁61.4%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
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竹中工務店らが電界通信と高精度画像解析を組み合わせた次世代セキュリティシステムを開発
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2010年7月9日 |
竹中工務店は、東芝、アドソル日進と共同で、電界通信(人体や物の表面に発生する「電界」を利用してデータ通信を行う技術)と高精度画像解析を組み合わせた次世代型のセキュリティシステムを開発した。
同システムは、電界通信タグの所有者に対して自動的に行われる電界通信を用いた登録者認証と、カメラを用いた高精度画像解析により管理エリア内の人物を特定して追跡するもの。電界通信タグを持たない人物や意図的に認証を避ける人物に対しては、高精度画像解析により不審者として追跡する。
認証手段として電界通信を採用することで、服装や手袋・マスクの有無に影響されることなく、ハンズフリーで正確かつ確実な認証を行い、電界通信タグを持つ人物の正確な位置を特定。認証時の人物を含む管理エリア全体を写す監視カメラ画像と、位置情報を含む電界通信による認証情報を組み合わせることで、管理エリア内の人物の位置特定が可能としている。
異常を検出した場合は、不審者への警告と同時に異常情報や不審者の位置を警備員に通報、異常検出時の画像記録、入退出システムとの連携で不審者の移動制限などを実施し、不審者の確保を支援する。また、異常の発生場所と時刻から、操業システムとの連携で不審行動の対象となった管理対象物を特定し、迅速な処置(異常の有無の確認や回収など)を行うことで被害を最小化する。
同社では、アドソル日進の電界通信技術と東芝が開発した高精度画像解析の技術を組み合わせて同システムを構築。同社が展開する「生産施設エンジニアリング」と「犯罪リスクマネジメント」のツールに位置付け、高度な生産管理や効率的なセキュリティ対策を望む顧客に積極提案していく考えだ。
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大和ハウス工業が国内初となる家庭用リチウムイオン蓄電池付き住宅展示場の実証実験を開始
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2010年7月9日 |
大和ハウス工業は、エネルギー自給住宅を目指した「Smart xevo Eco Project(スマート・ジーヴォ・エコ・プロジェクト)」をスタートさせ、その第一弾として、7月10日より、国内初となる家庭用リチウムイオン蓄電池付き住宅展示場「SMA×Eco HOUSE(スマ・エコハウス)」の実証実験を、埼玉県春日部市の「埼玉県春日部住宅展示場」および愛知県名古屋市の「メ〜テレ八事ハウジング」の2ヵ所で開始すると発表した。
実証実験の内容は、「蓄電池システムの総合効率の確認」、「太陽光発電システムと連動した2モードの蓄電池システム動作の確認」、「通風等に代表されるパッシブ技術の効果検証」、「大容量機器の重複によるピーク電力制御の確認」、「HEMSの新技術の動作確認」、「顧客からの評価」の6つで、顧客からの評価と技術評価を目的としている。
実証実験では、家電製品や住宅設備機器を一括制御するほか、パソコンや携帯電話などから遠隔操作する生活スタイルを来場者に体験してもらう。また、全館LED照明とし、ライン光源の間接照明をベースとしたオリジナル照明も提案。併せて、ICTを活用した同社のエネルギーマネジメントシステム「D-HEMS」の実証実験も行う。
同社独自のシミュレーションによると、リチウムイオン電池搭載住宅は、政府が定める新省エネ基準による一般住宅と比較して、CO2を65%削減、光熱費を102%削減することができるという。
同社では、住宅展示場での来場者の反応や実証実験の状況を見て、来春をめどに、同社商品の「xevo(ジーヴォ)」シリーズにリチウムイオン電池を搭載して商品化する。今後は、生活の質を向上させながら、2020年までに環境負荷「0(ゼロ)」(CO2排出量をゼロ、光熱費をゼロ)となるエネルギー自給住宅に進化させる考えだ。
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三井住友建設がマンションの設計期間を半減する急速設計システムを開発
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2010年07月23日 |
三井住友建設は、大型マンションの設計着手から確認済証交付までの期間を最短で5ヵ月に短縮できる急速設計システム「ShukuGen(しゅくげん)」を開発し、運用を開始した。
同システムは、同社が設計施工する15階200戸程度までの板状マンションを主なターゲットとした設計システムで、これまで設計着手から確認済証交付まで8〜11ヵ月程度かかっていた設計期間を、最短で5〜6ヵ月に短縮するもの。約100工程からなる従来の設計業務プロセスを、約500工程に細分化して徹底的に分析することで、期間短縮における課題を抽出。その課題に対する方策を盛り込んだ最適な設計業務プロセスを再構築することで、大幅な効率化を実現したとしている。
同システムは、「設計業務プロセスの整流化」、「設計検討ナレッジの整備」、「マンション設計データベースの構築」、「設計図書記載情報及び作成手法の合理化」、「クロスファンクショナル活動」の5つの方策で構成。まず、設計着手時に顧客との間で適切な仕様確定時期を設定し、それに基づく工程管理を行うことで仮検討、手戻りを削減。一方で、情報、知識、検討プロセスの一元管理、標準化を行いナレッジとして整備し、同社がこれまで設計施工したマンション案件の詳細情報をデータベース化して、随時活用できる環境を整えた。また、各設計図書に対する役割を一から検討し、最適な情報量や作成手法を定義。このほか、社内ワーキング活動等により情報の新規取得や共有化を行い、設計技術者のスキル向上や設計品質の維持向上を図るという。
同社では、これらの方策をすでに実案件で試験運用を実施。不具合の修正も完了し、効果についても検証済みという。今後は、これら方策を実行することにより、従来に比べて4割以上の設計工数を削減するとしている。
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JR東日本が開発成果の早期実用化を目的としたスマートステーション実験棟を完成
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2010年07月23日 |
JR東日本は、さいたま市の研究開発センターに新しい実験施設「Smart Station(スマートステーション)実験棟」を完成させた。
同実験棟は、国内初の駅型実験施設で、実際の駅と同等の空間を有し、建物はS造3階建て延べ1,530m2の規模。模擬コンコースやホーム、改札機、車両などのほかに、可動式天井、可動式ホーム柵、膜構造屋根、列車表示案内板などが設置されている。試作段階まで進んだ研究成果を持ち込み、コンピュータグラフィックスや机上では把握できない評価・検証を行う。実証実験を行うための設備の設置や、実験後の撤去も容易な構造で、駅自体がロボットのようなものだという。最近実用化された可動式ホーム柵や膜構造屋根を設置しているのは、仮に問題が起こった場合に、再現試験や改善策の検討に活用するためとしている。また、可動式天井はコンコース階に設けられ、18m×9mの大きさの天井が約4.5mの範囲で昇降。案内設備や照明などに関する研究がさまざまな空間条件下で行え、天井の高さによる自然光や風の流れ、冷暖房効率などの違いの把握にも活用できる。
自動改札機では、床発電システムを研究中で、乗降客が自動改札機を通過する際に床に加わる振動エネルギーから発電し、自動改札機の表示板の電源などへの活用を目指している。改札機そのものの省エネ性能向上と床発電システムの発電によるCO2排出量削減が狙いだ。
このほか、営業中の駅で試行していた列車案内表示板「ITかかし」や「おしらせくん」なども設置。列車本数の少ないローカル線での待ち時間表示方法について、さらなる改善を図る方針だ。
同社では、乗客がより便利で快適になるサービスの提供を目指して、さまざまな機器やシステムなどの開発に取り組んでいる。今後は、開発した成果を同実験棟でのフィールド試験を経て営業中の駅で試行し、実用化したい考えだ。
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住友大阪セメントがコンクリートの乾燥収縮ひずみを測定する簡易測定キットを開発
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2010年07月23日 |
住友大阪セメントは、コンクリートの乾燥収縮ひずみの推定を可能にする「簡易乾燥収縮測定キット」を開発した。
同キットは、持ち運びが可能で、簡易型の調湿槽とひずみを自動計測する「データロガー」で構成。直径100mm、高さ200mmの3本の供試体を調湿槽に入れ、専用機器でひずみを自動計測するもの。ゲージを埋め込んだ供試体を調湿槽に入れ、温度20±2℃、湿度60±5%の条件下で乾燥。
ひずみは28日間以上自動計測し、28日間に得たデータを基に、乾燥182日間のひずみを高い精度で推定できるという。
同社が行った実験によると、キットの計測結果は、JIS法に基づく試験結果と良好な相関関係が出たという。
コンクリートの乾燥収縮試験は、JISに基づく変化測定が特定の温度・湿度条件下で行われている。実施には、温度や湿度を一定に保つ大規模な空調設備などが必要なため、生コン工場は試験を専用機関に外注しているのが実情だ。ただし、コンクリートの品質は、建物の強度や耐久性に直結するため、乾燥収縮のレベルに注目するゼネコンなどが増加。生産者も試験の実施体制を構築するのが望ましいとされている。
同キットは、モニター工場ですでに運用が開始されている。
同社は、自主的試験の必要性が高まっていることを追い風に、キットの性能を広くアピールしていく方針。今後は、生コン工場などに同キットを積極的にPRしたい考えだ。
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