設備工事業の受注高が15ヵ月連続の減少 平成21年12月分は前年同月比18.1%減
|
2010年3月16日 |
2月26日に国土交通省から「平成21年12月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成21年12月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,934億円で前年同月比3.1%減となり、15ヵ月連続の減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,601億円で前年同月比8.9%減と、14ヵ月連続の減少となった。
一方、官公庁は333億円で同40.1%増となり、7ヵ月ぶりの増加となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=933億円で前年同月比1.0%減(民間3.4%減、官公庁19.2%増)
管工事=879億円で同4.0%減(民間13.9%減、官公庁67.8%増)
計装工事=190億円で同12.4%減(民間17.6%減、官公庁16.5%増)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。
|
|
大和ハウス工業がスマートハウス対応 共通ソフトウェアの実証実験を開始
|
2010年3月16日 |
大和ハウス工業は、家庭内のエネルギー最適化を行う住宅として注目されている「スマートハウス」について、家庭内で使用する家電製品や住宅設備機器の制御および運転状況・使用履歴などの情報を収集するための共通ソフトウェアを新たに開発し、その評価を目的に実証実験を開始したことを発表した。
今回の取り組みは、経済産業省の公募事業「平成21年度 スマートハウス実証プロジェクト」において、三菱総合研究所から再委託を受けて実施するもの。異なるメーカーの家電製品・設備機器も共通でコントロールすることができるソフトウェア「住宅API」の評価を実施する考えだ。
実証実験では、同ソフトを実証実験棟に組み込み、「iPhone」や「デジタルフォトフレーム」を活用して、各メーカーの家電機器や住宅設備機器の遠隔操作や自動制御などの動作確認を行う。「iPhone」では、住宅内の家電製品や各居室の照明を操作。「デジタルフォトフレーム」では、消灯や施錠を可能にする。また、携帯電話のインターネット接続機能を使って、外出先から家電製品・住宅設備機器の遠隔コントロールも可能。玄関の閉め忘れも確認・操作できるとしている。
同社は、同ソフトを搭載したホームサーバーの活用により、各居室の家電・設備機器の使用情報を収集し、エネルギーマネジメントやライフスタイルマネジメントを可能にするとしている。また、その情報を活用した新たなサービス開発が容易になるとみている。今後は、同ソフトをスマートハウス普及のための標準的な仕組みとして展開できるよう、関連企業に呼びかけるとともに、同社が提供する省エネルギー住宅への搭載を目指して研究・開発を進める方針だ。
|
|
フジタが建物の企画・計画段階でCO2排出量などを「見える化」を実現する新サービスの提供を開始へ
|
2010年3月16日 |
フジタは、建物の企画・計画段階で、建物の生涯二酸化炭素排出量(LCCO2)やライフサイクルコスト(LCC)を簡易に算出するシステム「Diet(ダイエット)建築ナビ」を開発し、本格運用を開始したことを発表した。
同システムは、同社が10年前より基本設計段階で用いてきた「LCCO2とLCC算出ツール」を元に、省CO2にかかわる項目を効果の高いものに絞るとともにデータ入力を簡素化。結果表示もわかりやすくして、企画設計段階でLCCO2やLCCの算出を概算レベルで行えるように開発したもの。同社が常に蓄積、更新しているデータを元に、経済性の高い環境配慮設計・省CO2建築の推奨案を提示する。営業マンや企画設計者が、顧客と会話しながら使用することを念頭に、社内で試用を重ね、本格運用を開始したとしている。
建物用途は庁舎、事務所、ホテル、病院、商業施設、学校など8種類に対応。パソコンの簡単な操作で建物のLCCO2やLCCを瞬時に算出する。必須のデータ入力・選択項目は、名称、建設場所、建物用途、規模、構造、コア形式、建物グレードのみで、建物グレードを構成する省CO2にかかわる項目をカスタマイズ化でき、その効果の確認が容易にできるという。また、オンラインで過去の事例を検索でき、比較検討を容易にしたとしている。
同社は、同システムを営業初期段階で活用するツールと位置付け、その後の基本設計や実施設計、施工、運用・維持管理、改修・更新、解体・廃棄といった各段階で省CO2建築を実現するための既存システムと合わせて、顧客ニーズに沿った支援を行い、省CO2建築の普及に貢献する考え。今後は、詳細コストの算出や他の評価指標との関連付けなどが行えるようバージョンアップを図る方針だ。
|
|
清水建設が開発計画地の生態系変化を衛星画像で評価・予測するシミュレーションシステムを開発
|
2010年03月29日 |
清水建設は、開発計画地周辺の生態系ネットワークの変化を定量的に評価・予測できるシミュレーションシステム「UE-Net(Urban Ecological Network)」を開発・実用化したと発表した。
同システムは、生物の主要な生息環境である「草地」、「樹林」、「水辺」を評価指標にして、開発前(現状)と開発後の生態系ネットワークの相違をビジュアルで示すもの。必要なデータは衛星画像データだけで、現地調査が不要なことから、最長でも1週間程度で評価を終了できるという。開発地周辺の生態系ネットワークを詳細に評価できるため、生態系に配慮した開発(緑化)計画が立案可能。また、定量的な評価結果をビジュアルでわかりやすく表示できるので、開発計画に対する近隣住民等との合意形成にも役立つとしている。
評価手順については、まず、街路樹や個人邸の植栽の種類まで判別できる高解像度の衛星画像データを入力・解析し、開発地周辺の現状の自然環境を評価指標別(草地、樹林、水辺)に把握。次に、各指標を利用する代表的生物(指標生物)の生息適性を評価してそれぞれの生態系ネットワークの現状を評価・予測する。最後に、開発計画地内の複数の緑化計画案を個別に入力、それらが開発地周辺の各生態系ネットワークに与える効果を評価・予測し、最適な緑化計画を選定する。なお、現状については、開発地周辺の1km圏、緑化計画案が生態系ネットワークに与える効果は指標生物の主な行動圏とされる250m圏を評価の対象にしている。このほか、米国で開発されたHEP(Habitat Evaluation Procedure)という手法をベースに、餌場、繁殖場所、隠れ場所の所在を総合的に評価・予測。それらの数値をもとに、生息適性をランク付けして色分け表示する。
同社は、同システムを最適な緑化案の提案ツールとして活用するほか、合意形成に役立つシステムとしての利用を促進する考えだ。
|
安藤建設が企画設計段階で建築物のCO2排出量を見える化する算出ツールを開発
|
2010年03月29日 |
安藤建設は、企画設計段階で容易に建築物のライフサイクルCO2(LCCO2)排出量を算出できる、簡易CO2排出量算出ツール「らくちんCO2名人」を開発した。
同ツールは、企画段階から設計物件のLCCO2排出量を簡易に算出し、そのデータを「見える化」するもの。設計にフィードバックしながら環境配慮型設計を進めることができるので、顧客に対し「環境にやさしい設計」の提案が可能になるとしている。また、顧客にとっても、企画設計段階でさまざまなCO2排出量削減対策を比較検討できるようになるという。
同ツールでは、まず、企画設計段階での建物用途・建物構造を選択し、CASBEEデータを基にした規準値(LCCO2排出量原単位)を算出。次に、延床面積の入力およびCO2削減提案、全24項目から採用する項目の選択、ならびにその詳細に関しての数値の入力を行い、各削減効果の内容を確認、決定。最後に、これらのデータに基づいて、建設、修繕・更新・解体、運用の3分類でCO2排出量が数値化され、規準値からの削減量を数値化・グラフ化・杉の木換算化などで「見える化」して表示する。
同社は今後、同ツールと既存建物を対象とした省エネ診断の結果と省エネ提案の効果をその場で算出できる省エネ簡易診断ツール「らくちんECO名人」とを組み合わせて活用。企画段階からCO2排出量を「見える化」することで、CO2排出量の低減等、環境に配慮した顧客ニーズに合う最適な建築物の企画提案につなげる。設計・施工一括受注や特命受注への取り組みを強化する方針だ。
|
ハザマがシールドトンネルのアセットマネジメントを支援する設計・施工情報の管理システムを開発
|
2010年03月29日 |
ハザマは、シールドトンネルの維持管理(アセットマネジメント)などにおいて、さまざまな効率化を可能にする「設計・施工情報総合管理システム」を開発し、国土交通省近畿地方整備局発注の大阪北共同溝交野寝屋川地区工事に導入した。
同システムは、情報を一元管理するための「現場データサーバー」と土木構造物と登録した情報を視覚的に表示する「立体データベースシステム」、現場(トンネル内)で情報登録・閲覧を行うためのICタグおよびICタグの専用端末で構成。セグメントの設計・製造情報や掘進・組み立ての施工情報などを一元管理すると同時に、各種情報の入ったICタグをセグメントや現場打ちコンクリートに取り付け、現場内でも情報の登録・閲覧が可能になるシステムだ。
一元管理する情報として、セグメントおよび現場打ちコンクリートに関する「設計情報」と「製造情報」、「施工時情報」、「点検情報」など5項目約100種類を選定。施工者は、これらの情報を現場データサーバーと構造物に取り付けたICタグへ施工中に登録する。また、シールド掘進に関わる情報は、同社が開発した統合型掘進管理システム(HI−SDACS)から、現場データサーバーが自動的に取得する。
施工者が登録した情報は工事目的物とともに施設管理者へ引き渡され、以後は、施設管理者が点検結果や補修内容などを「点検情報」として登録する。蓄積された情報は、視認性の高い3次元モデルを介して、要求する情報を瞬時に表示できるので、情報収集は、図面や書類で調査する場合と比較して大幅に省力化できるという。また、土木構造物を立体的に確認できるため、平面図の読み間違いによる事実誤認も防止。施設の巡回点検中でも、専用端末を使ってICタグから構造物の履歴情報が閲覧可能なので、その場で必要な判断が可能になるとしている。
同社では、すでに推進工事でも同システムの採用を決めており、今後、総合評価方式の技術提案の一つとして積極的に提案していく方針だ
|