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設備工事業の受注高が2ヵ月ぶりの減少平成22年2月分は前年同月比13.3%減
2010年5月14日
4月30日に国土交通省から「平成22年2月分（速報）の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。発表された基礎統計資料によると、平成22年2月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,532億円で前年同月比13.3%減となり、2ヵ月ぶりの減少となった。発注者別に見ると、民間は1,292億円で前年同月比14.3%減と、2ヵ月ぶりの減少となった。一方、官公庁は240億円で同7.4%減となり、3ヵ月ぶりの減少となった。工事種類別の受注高は次のとおり。電気工事＝706億円で前年同月比4.3%減（民間11.0%減、官公庁52.2%増）管工事＝653億円で同24.7%減（民間23.4%減、官公庁30.9%減）計装工事＝259億円で同8.8%増（民間19.5%増、官公庁40.8%減）本調査結果は、（社）日本電設工業協会（主要20社）、（社）日本空調衛生工事業協会（主要20社）、（社）日本計装工業会（主要20社）の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。

ダイダンがエネルギー使用量の見える化や改正省エネ法対応を支援するワンストップサービスを開始
2010年5月14日
ダイダンは、建物のエネルギー管理や改正省エネ法への対応を支援するワンストップサービス「NAVI-Smart（ナビスマート）」の提供を開始した。同サービスは、IT を活用したデータの収集や報告書作成などに加え、電気・空調・衛生すべての建築設備に対してワンストップでデータ分析、省エネルギー改修提案、運用改善提案などを実施するもの。建物のエネルギー使用量の「見える化」や改正省エネ法対応の「報告書作成支援」をするとともに、エネルギー使用量の分析に基づく設備の省エネルギー改修提案などの「年次レポート」を作成・提供する。同サービスでは、各種センサーや中央監視システムから温湿度情報などを自動収集し、電子帳票やエネルギー事業者からの請求書などと併せて、同社内に設置したデータベースに集積。これをグラフや帳票に加工し、インターネットでエネルギー使用量の閲覧など「見える化」を支援する。また、各事業場におけるエネルギー使用量（電気・ガスなど）のデータを、インターネット経由で、「NAVI-Smartサーバー」で収集・集計し、管理標準、中長期計画書、定期報告書などの報告書作成を支援。報告書類は、「NAVI-Smartサーバー」からExcelファイルをダウンロードして容易に作成可能だ。さらに、収集したエネルギーデータの分析に基づき、建物に最適な設備の運用方法、省エネルギー化のための設備機器の更新提案を盛り込んだ「年次レポート」も提供する。なお、同サービスは、複数の事業場を有する企業単位でも、建物1棟のみを対象とする場合でも対応可能という。同社は今後、2010年4月から新たに省エネ法の規制対象になる事業者と、東京都環境確保条例の規制対象となる事業者を中心に営業展開する考え。2010年度に100件の契約獲得を目指すとしている。また、同サービスの拡販により、省エネルギー改修工事の受注拡大を目指す方針だ。

鹿島がビル設備における隠れたエネルギーの無駄を自動検知するシステムを開発・実用化へ
2010年5月14日
鹿島は、ビルエネルギー管理システム（BEMS）で得られるデータから、ビル設備における隠れたエネルギーの無駄を自動的に検知する「エネルギーフォルトシステム」を開発した。エネルギーの使用状況を「見える化」するBEMSを導入すると、運用状況は把握可能になるが、そのデータ量は多い場合だと数千種類におよび、さらに時系列で分析する必要がある。膨大なデータの中から、隠れた無駄を特定する作業を人の手で行うのには限界があり、無駄かどうかの判断も、医師が検査データから病名を特定するような知識や経験が必要だという。同システムは、消費エネルギーが過剰になっている設備の「不具合」（フォルト）を、無駄と判断する基準（検知ルール）に基づいて検知し、ビル管理者に自動で通報するもの。不具合の原因が明確にわからなくても、前年と比較して、数値が倍違うといった不自然な現象を発見した場合も通報する仕組みだ。具体的には、「室内混合損失」、「過剰な除湿再熱運転」、「熱媒体温度差の不足」、「温水洗浄便座の節電モードの未稼働」、「電気室の過剰な冷房」、「空調機二方弁の過剰な開放」といった不具合を早期に是正可能になり、ビルの省エネルギー化を促進できるという。同社は、同システムにより、これまで見過ごされていたエネルギーの削減余地を専門家の知識や経験がなくとも発見が可能としている。また、同システムを顧客向けのコンサルティングツールとして活用していく方針で、年度内の実用化を目指す考えだ。

東大グリーンICTプロジェクトが東京大学第二本部棟にネットワーク統合によるエネルギー見える化システムを構築
2010年06月01日
東京大学の東大グリーンICTプロジェクト（GUTP）は、情報収集インフラにインターネットを活用することで、東京都文京区の本郷キャンパス内第二本部棟のエネルギーデータを遠隔から「見える化」するシステムを構築した。同システムは、GUTPのメンバーであるダイキン工業とユビテックが開発を担当。ビル設備系のネットワークと情報系ネットワークの統合を実現した。ビルに設置されたダイキン工業製の空調システムの運用状態・エネルギー消費を計測し、そのデータをユビテックの統合ゲートウェイ「BX-Office」を経由して、キャンパス外のインターネット上のデータサーバに収集することで、従来のセキュリティ上の課題から構築が困難だったB・OAネットワーク統合を達成したとしている。同システムでは、ビル内の空調システムの状況をオンサイトと遠隔センターの両方で計測し、省エネのために遠隔で収集すべきデータを抽出して、CO2削減に最適な収集データを決定。計測データからビル設備の運用実態を推定することで、消し忘れや過度な空調運転を検出し、省エネにつながる制御フィードバックを実現する。また、収集データの表示方法については、運用のムダ部分が容易に把握できる表示方法を実現したという。このほか、全学的プロジェクトとして省CO2対策を進めている東大サステイナブルキャンパスプロジェクトの協力を得て、同システムで収集したデータを活用し、運用課題の抽出とCO2削減対策検討に至る一連のCO2削減モデルを実証したという。 GUTPは今後、同システムを活用して大学全体のビル設備データ収集システムを構築し、詳細な設備運用実態と無駄を解析することにより、中小規模の建物における効率的なCO2削減手法のモデルケース確立を目指す方針だ。
清水建設が京橋新本社に太陽光発電と蓄電池によるマイクログリッドを導入へ
2010年06月01日
清水建設は、京橋新本社の運用段階における省エネと昼間の商用電力のピークカットを目的に、太陽光発電と蓄電池を併用するマイクログリッドの導入を決定した。マイクログリッドは、自然エネルギー発電などの分散型電源と送電網を建物や敷地内に設けて、エネルギー消費を効率化するもの。京橋新本社に導入するマイクログリッドには、外壁に組み込む約2,000㎡の太陽光発電パネルにより発電される電力（84,000kWh/年）と蓄電池（150kWh）を、商用電力と併用する。制御のポイントは、天候による太陽光電力の出力変動を効果的かつ経済的に補完することとしている。具体的には、本社内で消費している電力と太陽光電力の出力変動を常時監視しながら蓄電池を制御することにより、太陽光電力の100％消費と出力変動分の補完を図り、商用電力をピークカットするというもの。この仕組みにより、商用電力のピークを3％程度カットできるため、契約電力を約70kW低減可能。また、太陽光発電によりCO2排出量を年間約30t削減できるとしている。さらに、停電時には、非常用発電機が稼働開始するまでの間も無瞬断で電力を送り続ける機能も付加しており、オフィスの基幹システムなどのシステムダウンを防止するという。同社では、京橋新本社が国内初の事例となるオフィスビルへのマイクログリッドの導入について、近く技術研究所内にオープンする新本社採用技術の実証ラボにおいて同技術を実証・公開するという。また、京橋新本社には、マイクログリッドをはじめ、輻射空調システムやLED照明システム等の最先端の省エネ技術を採用。同規模の一般的なオフィスビルに比べ、運用段階のCO2排出量を約50％、年間で約2500t削減し、国内最高レベルの「都市型高層省エネルギービル」の実現を目指す考えだ。
東洋熱工業が熱源トータル最適制御コントローラを活用し年間総合効率2.86を達成
2010年06月01日
東洋熱工業は、さまざまな熱源の組み合わせを最適制御する「熱源トータル最適制御コントローラ（E-SCAT）」の汎用化の取り組みを強化している。同社は、「熱源トータル最適制御コントローラの開発と導入事例」で2010年度の空気調和・衛生工学会賞（技術賞、技術開発部門）を受賞。同コントローラを開発し、汎用性を高めたことで、さまざまな用途、熱源、周辺状況などの組み合わせに、容易に対応可能という。導入したある工場では、年間総合効率2.86、年間冷熱源システムCOP（エネルギー効率）8.0を実現したとしている。システムの導入にあたっては、天候や運用状況、設備投資などを高精度にシミュレーションする手法や、生産設備の省エネ性と運転継続性・信頼性を両立するリスク分析・バックアップ手法、導入前にバグを除去するテストツールも開発。併せて、Web監視システムによるモニタリングや性能検証のためのシステムをオプションとして提供する。運用状況の監視、モニタリングを継続的に行うことで、より効果の高い設備の導入や運用改善に役立てることができるという。同社は、延べ床面積10,000㎡以上の工場、データセンター、病院、学校、商業施設など、冷凍機を持った中央式空調システムを導入している建物や熱源更新を計画している建物を主なターゲットとして同システムを展開する。導入により約4～5割の省エネルギー効果が得られる見込みだという。導入費用は1,500万～3,000万円以上が目安となるが、部分的な制御を最適化する300万円程度のシステムも提供するとしている。同社では、東京都の環境確保条例などにより、2011年度以降に設備投資が活発化すると見ており、年間10物件の受注を目指す考えだ。

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