土工協がホームページ上で建設業向けASPサービスの比較検討資料を公開
2003年1月29日

(社)日本土木工業協会(土工協)は、建設業向けASPサービスを主要ベンダーごとに調査し、その結果をホームページ上で公開した。主要ベンダー別にサービスの概要などを整理したものだが、オープンなデータなので会員企業以外でも閲覧することが可能だ。
国土交通省の直轄工事でCALS/ECの本格運用が開始されたため、建設業界では、受発注者間だけでなく協力業者などとも情報共有化を図ることが重要になっている。このような状況の中、プロジェクトメンバー間での効率的な情報交換・共有化が可能なASPサービスのニーズが高まっている。
ASPサービスを利用する場合、業務の対象は各社の考え方によって異なる。また、ベンダー側が提供するサービスも広範な業務領域をカバーするものから、部分的な業務を対象としているもの、土木・建築専用とするものまで多種多様だ。サポート体制についてもベンダーごとに大きな違いがある。このように建設業向けASPサービスにはさまざまなサービスがあるが、これまではサービスを選択する際の比較検討資料がなかった。土工協が開催したCALS/EC関連のセミナーでも、建設業向けASPサービスの内容を比較できる資料の整備を求める声が多く寄せられたという。
こうした意見を踏まえ、土工協は建設業向けにASPサービスを提供する主要ベンダーを対象に、サービスの内容を2003年10月に調査した。回答を寄せたベンダーはエー・シー・エス、NECソフト、NTTコムウェア、オートデスク、建設総合サービス、構造計画研究所、シェルパ・イントラネッツ、大中物産・大興物産、ダイテック、TIS、日本サイバースペース、日本ユニシス。各社ごとに、サービスの対象分野、利用対象者、料金体系、基本機能、デモサイトの有無、利用実績などを見やすく整理し、紹介している。
(社)日本土木工業協会のURLは次のとおり。

(社)日本土木工業協会 <http://www.dokokyo.or.jp/>


国土交通省が紙入札者の理由調査を実施。中小建設業者の対応の遅れが明らかに。
2003年1月29日
国土交通省は、同省発注の直轄工事、コンサルタント業務等の入札の際、紙で入札に参加した業者の理由調査結果をまとめた。
調査は、同省が2003年11月の1カ月間に開札した8地方整備局の案件を対象としたもの。
調査期間中に、発注された直轄工事件数は998件で、延べ10,724社が参加した。このうち、電子応札業者数は延べ9,252社、紙応札業者数は延べ1,472社で、電子応札者数と紙応札社数の割合は86.3%と13.7%となった。
紙応札者の割合を入札契約方式別にみると、一般競争入札が6.2%(4社)、公募型指名競争入札が8.0%(142社)、工事希望型指名競争入札が6.6%(93社)、通常指名競争入札が16.6%(1,226社)、随意契約が7.4%(7社)となっている。
これを理由別に見ると、一般競争入札では4社とも電子入札システムを導入していたものの、代表者などの変更でICカード変更手続き中のため利用ができなかったというものだった。公募型と工事希望型は、電子入札システムを導入していないがそれぞれ41.5%、48.4%を占めたものの、残る5割強は代表者や住所の変更などでICカードの使用ができない場合や自社のシステム障害などのため紙で応札したと回答。通常指名では、紙応札者の80.5%が電子入札システムを導入しておらず、その大半を占める中小建設業者の対応が遅れていることが明らかになった。
また、今回の調査結果から、企業側が電子対応している場合でも、代表者や入札権限を持つ者(支店長など)の変更などでICカードが使用できなくなるため、紙入札にならざるを得ないという、システム上の課題も改めて顕在化した。このため、同省では、現在1カ月程度かかるICカードの変更標準処理期間を短縮するなどの、システムの運用課題の解消に向けた検討を進める考えだ。また、電子入札システムの更なる導入促進を図るため、工事の紙入札参加者に対して、開札日前日の決められた時間までに、入札書と工事費内訳書を前倒しして提出させることを決めており、近く地方整備局などに通知する予定だ。

東亜建設工業がインターネットを利用した、コンクリート構造物の維持管理を支援するシステムを開発
2003年1月29日
東亜建設工業は、インターネット経由でコンクリート構造物の維持管理情報をユーザーに提供する維持管理システム「SAMSWING(サムシング)」を開発した。
同システムは、コンクリート構造物の維持管理の省力化・効率化を目的として開発されたもので、コンクリート構造物に劣化変状を検知する複数のセンサーを設置し、そのセンサーのデータを自動的に回収・整理して、整理された維持管理情報をインターネット上でユーザーに提供する仕組み。
コンクリート構造物の広い範囲または主要な部分にセンサーを張り巡らすことで、構造物の健全性や劣化の進行状況を連続的に情報収集できるほか、センサー設置時点での状態が分かっていれば、その後の構造物の変化を把握することができる。
得られたデータの評価は、専門技術者がサポートする体制をとっており、異常が感知された場合には、専門技術者がデータを評価してアドバイスを行う。所有者や管理者といったユーザーは専門的知識を持たなくても構造物の維持管理が可能だ。
データはインターネットを介して情報管理センターのパソコンに自動的に回収される。複数のセンサーからデータを連続的に収集することから、構造物の劣化の予兆をつかむことも期待できる。また、インターネットを利用することで、ユーザーと専門技術者がデータを共有することができ、データをWeb画面上に一覧表示することで、日々得られるデータの確認作業に労力の軽減を図る。事前に基準となる数値を設定しておけば、Web画面上での色の表示によるわかりやすい管理も可能だ。
同社では点検に必要な労力・費用が長期的に低減できるとし、システムのニーズは高まると見ている。今後、効率的なシステムの開発を進めるとともに、適用性の検討、精度の高いセンサーの開発など、維持管理に関する技術開発に力を入れる考えだ。

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