日本道路公団が、工事管理の書類を電子化して受発注者がやりとりする工事管理支援システム「Kcube」を全国展開へ
2005年3月24日
日本道路公団(JH)は、CALS/ECの高度化に向けた取り組みの一つとして、工事管理の書類を電子化して受発注者がやりとりする工事管理支援システム「Kcube」を全国展開できる体制を整えた。
現在、高速道路の建設工事は、契約時、施工の各段階でそれぞれ、受注者と発注者が膨大な資料を交換している。特に施工段階では、各種の指示書や承諾願、検査・報告書など約200様式の書類のやり取りが発生する。
こうした各種の資料・書類をインターネットを利用し、両者で共有・交換・蓄積できるようにしたシステムが「Kcube」だ。同システムは、品質管理様式などを備えた「電子帳票機能」と、メールやスケジュールなどの「グループウェア」、民営化時の適正な資産価格の把握に備えた「資産把握機能」で構成されている。
受注者は、JHが作成したWeb画面に必要データを入力し、関係資料を添付して送信。JHは受け取ったデータの内容を確認し、請負者に承諾・許可などを通知する。そのほか、JHからは工事指示書なども電子データで受注者に送信する。資料の電子化として、土質調査で使う機器のデータをPCに取り込む仕組みや、生コンプラントで作成したデータを電子化して送信する仕組みも整備した。
JHが受注者から受け取ったデータは、データベース(DB)に集約し、維持管理作業や修復工事を行う際に利用する。DBには施工データと同時に工事資材の情報なども集積することから、JHはこれらを工事計画の立案や積算作業などに活用することも検討している。 Kcubeを導入することにより、了承・決裁手続きの迅速化や書類の作成業務の負担軽減、書類の保存・検索作業の大幅な効率化も期待できる。JHでは、年間約3,000件に上る工事のすべてにKcubeを適用すれば、人件費などで計約14.3億円を削減できると見込めることから、今後契約するすべての工事にKcubeによる書類管理を採用する方針だ。

国土交通省が官庁施設を対象にした防犯設計のマニュアル化に着手
2005年3月24日
国土交通省官庁営繕部は、犯罪の増加や安全に対する意識の高まりを受け、防犯性の高い官庁施設の整備を開始する。防犯に効果のある配置計画やセキュリティー・システムを盛り込んだ「防犯設計」の構築を目指し、2005年度から2ヵ年で計画手法を検討する。
セキュリティを意識した施設設計は従来も実施してきたが、明文化された基準類がなく個別対応がほとんどだったため、防犯対策を系統立てて整理してマニュアル化する考えだ。
地方の出先機関などには、防犯面でほとんど無防備な庁舎も多いという。官庁営繕部は、施設の平面計画を立てる際に、整備する側と管理する側が十分にすり合わせを行い、職員と一般来庁者を分離する動線計画や、カメラの設置位置などを決めることにより、効果的な防犯を実施できるとみている。
マニュアルには、従来の取り組みに加え、民間の施設などで普及し始めている新しい防犯技術を盛り込む。対象は新築の事務庁舎となるが、既存施設にも可能な部分は適用する。事務庁舎が対象となるため、防犯設計の具体策は、庁舎への部外者の立ち入りをICカードによって完全に管理するような極端な方法ではなく、監視カメラの設置や歩行者の動線分離などが中心となる見込み。
これまで、監視カメラは施設管理者の要望を受けてから設置されることが多く、計画・設計段階からみると後手に回っていた。このため、見通しの良い場所にカメラが設置されるといった無駄もあった。動線については職員と一般来庁者を分離するだけでも、部外者・不審者の発見には効果があり、資料などの無断持ち出しの防止に効果を上げるという。

戸田建設、京セラコミュニケーションシステム、KDDI研究所の3社が、SFX図面データを携帯電話の画面で表示するシステムを共同開発
2005年3月24日
戸田建設、京セラコミュニケーションシステム、KDDI研究所の3社は、SFX図面データを携帯電話の画面で表示するシステムを共同開発したと発表した。
現在、建設業界では図面データの有効活用の動きが活発化しつつあり、モバイル機器での図面閲覧に対するニーズも高まっている。これまで、SXF図面の表示には専用ブラウザなどが必要であることから、現場内の誰もが携帯電話で図面の閲覧が可能となる環境を整えるのは難しかった。今回3社が共同で開発したシステムでは、インターネット上でSXF形式の図面を、高解像度のグラフィックス表示ができるSVG(Scalable Vector Graphics)フォーマットに変換処理するアプリケーションを使用。SVG形式の図面をKDDI研究所が提供しているソフトウェア「SVG Browser for BREW」を介して、携帯電話の画面で閲覧できる。また、画面上では、SVG技術によって、図面を拡大・縮小・回転させても高品質の図面が表示も可能だ。建設工事の監理や既存建物のメンテナンス、災害時における緊急対応の現場での活用など、電子納品で納められたSXF形式の図面データの有効活用の一つとして、今後さまざまな用途での普及拡大が期待される。
今後3社は、今回発表したシステムに現場のニーズを反映させていくとともに、アプリケーションの配信方法などを検討し、新技術を活用したビジネスモデルを構築していく考えだ。

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