設備工事業の受注高が3ヵ月ぶりの減少 平成20年8月分は前年同月比10.1%減
2008年11月13日
10月31日に国土交通省から「平成20年8月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成20年8月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は2,170億円で前年同月比10.1%減となり、3ヵ月ぶりの減少となった。
発注者別に見ると、民間は1,899億円で前年同月比8.1%減と、3ヵ月ぶりの減少となった。
一方、官公庁は271億円で同21.6%減となり、3ヵ月連続の減少となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=1,117億円で前年同月比1.1%減(民間4.2%減、官公庁34.3%増)
管工事=996億円で同12.4%減(民間8.1%減、官公庁31.5%減)
計装工事=224億円で同1.7%減(民間13.1%増、官公庁46.3%減)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。


国土交通省が入札ボンド・履行ボンドの電子化システムの仕様を了承、
来年度に開発・実証実験を実施へ
2008年11月13日
国土交通省は、2009年度に実施する入札ボンド・履行ボンドの実証実験システムの仕様素案を固め、今年7月に設置した「入札ボンド・履行ボンドの電子化に関する勉強会」の第3回目の会合(11月6日開催)において、その仕様が了承された。建設会社は、電子入札で使用するICカードとパスワードを使って認証を得た上で、銀行などのボンド発行機関にボンドの発行を依頼。ボンドの発行情報は、共同利用型のボンド管理システムで一元管理され、発注者は電子入札システムを介してボンドの発行状況を確認できる仕組みにする。
同勉強会の第2回目の会合では、ボンド発行機関や建設会社、発注者が認証キーを受け渡して共同利用型のボンド管理システムにアクセスする形式を提示していたものの、セキュリティ面が課題となっていた。
今回了承された仕様によると、共同利用するボンド管理システムを中心に建設会社とボンド発行機関、発注者を連携し、ICカードやパスワード、ボンドごとに発行される認証キーを使用してセキュリティを確保。ボンド発行機関の社内システムや電子入札システムを連携させることで、発行から入札・契約まで一貫してボンド情報を提供する仕組み。電子入札システムとの連携にあたっては、工事名称や保証金額など入札ボンドの自動チェック機能を付加する。
国土交通省は、12月12日に開催する第4回目の勉強会で、仕様の最終確認をした上で、2009年度にシステムの開発に着手。2009年12月〜2010年1月に模擬データを使用した実証実験を行い、システムの機能や使い勝手を検証する。ボンドの電子化が本格化すれば、現在紙ベースで発行しているボンドの手続きが簡素化でき、状況に応じてタイムリーな与信管理が可能になる。また、将来的に発行機関による与信情報の共有化などにつながる期待もあるとみている。


清水建設が太陽光発電の大量導入に向けたエネルギー制御技術確立の取り組みを本格化
2008年11月13日
清水建設は、分散型電源ネットワーク「マイクログリッド」の新たな実証プラントとして、中国・杭州電子科技大学構内に同ネットワークを構築したことを明らかにした。同社は、同プラントを太陽光発電の比率を技術的限界に近いレベルまで高めたエネルギープラントとしており、太陽光発電の大量導入に向けたエネルギー制御技術の確立に取り組む考えだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務とし、実証運転は明電舎と中国電力の協力を得るという。
同ネットワークは、自然エネルギーを含む複数の発電設備と蓄電設備をネットワーク化してエネルギーを供給する電力網で、エネルギー需要の変化に合わせて設備群を最適に制御し、安定的なエネルギー供給を行うもの。天候に左右されがちな太陽光発電の電力変動を補てんする役割を持つことから、電力会社の負担を軽減する効果があり、二酸化炭素(CO2)排出量の削減にも有効だとしている。また、自然エネルギーの活用で高品質で安定した電力供給が可能になれば、災害などで商用電源系統が停電したとしても、顧客の事業継続計画(BCP)に貢献できるという期待もある。
同プラントでは、太陽光発電をどの程度の割合まで導入できるかを検証するため、技術的限界に近い50%まで高めた。同プラントの最大出力は、太陽光発電120KW、ディーゼルエンジン発電120KWの合計240KW。実証運転における自立運転時の電力品質は、標準電圧100Vに対して101±6V、周波数50(60)±0.3Hzを目標に設定。商用電源系統に接続する連系運転と、商用電源系統から切り離す自立運転の2種類の運転形態で実証運転を行うという。
同社では、今回の実証運転の結果を踏まえて、同ネットワークを太陽光発電活用のキーテクノロジーとして位置づけ、環境技術分野で他社との差別化を図りたい考えだ。


大成建設が研究施設の実験器具の在庫管理や大型実験装置の稼働状況を
リアルタイムに把握するシステムを開発
2008年11月27日
大成建設は、研究施設にある実験器具の在庫管理や、大型実験装置の稼働状況のリアルタイムな把握を可能とするシステムを開発した。
同システムは、リアルタイム在庫管理システムとリアルタイムモニタリングシステムで構成。在庫状況の自動監視を行うリアルタイム在庫管理システムでは、実験器具などの保管棚の前面に独自の監視設備を配置。モーター駆動のアンテナ1台が上下左右に自動で移動し、個々の器具類に付けたICタグ(パッシブ型UHF帯)の情報を高精度に読み取る。不正な持ち出しが判明した場合には、電子メールなどで管理者に通報する仕組みとなっている。実験器具の予約・貸し出し・返却状況を管理する機能と組み合わせることで、不正持ち出しの自動検出によるセキュリティ強化、在庫管理業務の省力化・コスト低減などが図れるという。
また、大型実験装置のリアルタイムモニタリングシステムでは、稼働時間を自動積算する微弱無線対応のアクティブタグを開発して採用。無線により関連データを自動送信する。タグ内部でデータを保持するため、停電など通信環境に障害が発生した場合でも、復旧後に正確な情報が得られるという。事前に設定した稼働時間を超過すると、保守・点検時期を伝えるメールを管理者に自動通知。稼働履歴を参照することで、より適切なメンテナンスが行えるとしている。
同社は、同システムを顧客の施設や資産に関する書類・図面などの大量データを一元管理する物件情報管理システム(CAFM)のメニューに追加。横浜市戸塚区の技術センターに今年1月から導入し、管理に伴う人件費の低減などの導入効果が表れているという。保有設備の現状の“見える化”により、稼働率の同上、運用管理の効率化が図れるとしており、研究施設のほか、教育機関、医薬品メーカーなど、幅広い分野にCAFMのオプション機能として技術提案する方針だ。


(社)日本建築士会連合会が構造設計・設備設計1級建築士向けの新部会を設立、
有資格者の入会勧誘活動を促進へ
2008年11月27日
(社)日本建築士会連合会は、11月28日施行の改正建築士法で創設される「構造設計・設備設計1級建築士」の資格者を対象とした入会活動の促進を、都道府県建築士会とともに積極的に取り組む方針だ。
同連合会では、設計の法適合チェックなど、新たな業務で発生する課題を資格者が共有できる場として、資格者向けの部会「構造・設備設計1級建築士業務支援部会(仮称)」を制度委員会の下部組織として来年3月をめどに新設し、資格者をネットワーク化する考え。さらに、他のさまざまな専門領域の建築士とも情報交換や意見交換ができる建築士会のメリットを前面に出し、各都道府県建築士会を通じて、全国的な勧誘活動を展開するとしている。
新資格の創設によって、設計全体の中で各専門分野の役割や責任分担が一段と細分化されるため、意匠・計画、構造、設備、施工などの専門家同士の連携と共同作業が従来以上に重要になる。建築士会はさまざまな専門領域の建築士で構成されており、各分野間の情報・意見交換や資格のあり方の議論などについても、同部会を通じて行える強みとして入会を促進したい考えだ。
ただし、同連合会は、日本建築構造技術者協会、建築設備技術者協会と協定を結んでいるため、同部会では、技術的、専門的な内容は扱わないとしている。
同連合会は、設計者と専門家との信頼関係を築くことによって、新たなジョブチャンスにもつながることも期待している。


国土交通省中部地方整備局が情報化施工の普及を目的とした建設ICT導入研究会を発足
2008年11月27日
国土交通省中部地方整備局は、建設産業の生産性向上を目指し、情報通信技術(ICT)を活用した情報化施工を中小の現場にまで普及させることを目的とした全国初の組織「建設ICT導入研究会」を11月21日に発足した。同研究会の会長には、佐藤直良中部地方整備局長が就任した。
同研究会は、計画から調査、設計、施工、維持管理、修繕までの一連の建設プロセスにICTを活用し、効率化・高度化による生産性や行政サービスの向上、現場技術力の強化を実現するために設立したもの。会員数は178者。そのうち、技術者の育成やモデル工事現場への支援などを行う「プロジェクト会員」が51者で、団体やメーカー、ゼネコンなど全国から参加。また、講習会や学習会への参加が中心の「サテライト会員」が127者で、中部地方の地元建設業者が多くを占めている。
同研究会は、同整備局を中心に発注者と受注者、システム開発者などの関係者が一体となって、モデル工事での実証実験、技術者の育成、導入のための新たなルールづくりなどに取り組み、2010年12月までの2年間を活動期間として、情報化施工を普及させるための枠組みを構築する方針。
今年度はモデル工事としてトータルステーションを用いた出来形管理などに取り組み、来年度は設計データの3次元化などに取り組む考え。施工管理基準など各種基準・要領などの構築研究、調達面からみたICT導入の研究も行うとしている。
同研究会では、ICTを生産性向上の手段としてとらえ、研究成果を建設生産システムの変革と全国への普及に向けた基準となることを目指すとしている。

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