設備工事業の受注高が2ヵ月ぶりの増加平成22年8月分は前年同月比13.2%増
2010年11月12日
10月29日に国土交通省から「平成22年8月分(速報)の設備工事業に係る受注高調査結果」が公表された。
発表された基礎統計資料によると、平成22年8月分の設備工事業に係る各工事主要20社の受注総額は1,818億円で前年同月比13.2%増となり、2ヵ月ぶりの増加となった。
発注者別に見ると、民間は1,489億円で前年同月比8.2%増となり、2ヵ月ぶりの増加となった。
一方、官公庁は330億円で同43.4%増となり、3ヵ月連続の増加となった。
工事種類別の受注高は次のとおり。
電気工事=888億円で前年同月比16.5%増(民間11.3%増、官公庁45.2%増)
管工事=795億円で同8.7%増(民間3.3%増、官公庁48.0%増)
計装工事=187億円で同7.8%増(民間2.8%増、官公庁32.4%増)
本調査結果は、(社)日本電設工業協会(主要20社)、(社)日本空調衛生工事業協会(主要20社)、(社)日本計装工業会(主要20社)の調査結果を国土交通省総合政策局がとりまとめたものである。
なお、これは速報値であり、確報は後日公表される予定だ。


大成建設が国内最高水準の環境配慮ビルを整備へ
2010年11月12日
大成建設は、開発事業主体の特定目的会社に筆頭出資し、同社が設計・施工を手掛ける「(仮称)神田駿河台4-6計画」(東京・御茶ノ水)において、国内最高水準の環境配慮ビルを整備することを明らかにした。
同計画では、地上地下あわせて約4,400m2の地域に開放された広場「(仮称)タウンゲートプラザ」の整備や、地下鉄新御茶ノ水駅のバリアフリー施設整備、隣接地区との接続ブリッジの整備などを行い、駅前の魅力的な都市空間の形成を図るとともに、地域住民のニーズに応えた街づくりを目指す考え。また、ビジネスの拠点、学びや交流の拠点となる機能を導入し地域の新たな活力創出に寄与するとともに、環境配慮へのさまざまな取り組みにより都市の環境負荷低減に貢献する街づくりを進める方針だ。
同計画によると、JRの駅前、地下鉄駅直結の利便性の高い計画地に、快適性と使い易さを追求した基準階貸床面積900坪のハイグレードオフィスを提供する最先端のオフィスビルを建設。未利用エネルギーおよび未利用資源の活用に取り組むとしている。
同ビルは、環境負荷低減を目指してLow-Eガラスの採用、東西面の縦フィンの設置、高効率機器の採用等を行い、熱負荷低減や省エネルギーの指標であるPAL削減率、ERRにおいて、東京都が定める最高水準(段階3)の達成を目指す。また、太陽電池一体型ルーバーを南面に設置し、都内オフィスビル最大級の太陽光発電設備(約150kw)を導入するほか、地下鉄新御茶ノ水駅の地下鉄湧出水を、植栽への灌水、給水式保水性舗装への給水、水熱源ヒートポンプの熱源などに水環境等への影響に配慮しつつ利用。さらに、敷地全体での緑化率は45%と都心では例を見ない高い緑化率を達成する見込みという。
同社は、同計画に先進的な環境配慮技術を結集し、ビルの不動産価値を高めたい考えで、2013年春の完成を目指して工事を進める方針だ。


矢作建設工業が既存建物のエネルギー消費量を可視化する省エネ改修システムを開発
2010年11月12日
矢作建設工業は、既存建物のエネルギー消費量(電気使用量)を「見える化」、「分かる化」する「矢作エコマネジメント」システムを開発した。 同システムは、同社が今回開発した既存建物のエネルギー消費量(光熱費)を「見える化」する省エネ診断ソフト「Y Ecoms(ワイ エコムズ)」を利用し、建物オーナーへの法規制対応や社会的責任を果たす方策と、ランニングコストの削減など経済合理性の追求を両立させたリニューアルプランを提案するもの。
「Y Ecoms」では、建物形状、営業時間、在室人数、空調・照明等の使用状況から、エネルギー消費量構造を診断・分析。同時に、改修する内容別のシミュレーション(照明器具の比較や屋上緑化等の導入効果測定など)を行い、改修後のCO2 排出削減量や光熱費削減額などを算出する。また、同社独自の省エネ技術「RCG(屋上緑化用雨水自動散水システム)」や「クールベーブ(保水性舗装)」を採用した算出も可能としている。
改修工事においては、ゼネコンの強みを生かし、設計から維持管理まで一貫体制システムで取り組む。さらに、改修後1年間、エネルギー消費量を分析し、運用改善を提案することで「分かる化」も図り、改修前と比較して、約25%のCO2排出量削減を目指すという。
同社によると、同システムは既に商業施設、事務所ビルで導入されており、今後は、設備更新期を迎える中小規模建物を中心にソリューションを提案したい考えだ。


NTTファシリティーズが日本初となるオフィスビルのスマート化に着手
2010年11月26日
NTTファシリティーズは、東京都港区芝浦のグランパークエリアにおいて、スマートBEMSとその分析・評価アプリケーションの導入をはじめとするスマート化プロジェクトに着手したことを明らかにした。
同社の本社がある東京・芝浦のグランパークは、タワー棟に加え、プラザ棟、ハイツ棟からなる3つの建物で構成。企業オフィス、商業施設、貸会議室、マンション等の複合施設を形成している。同エリアについては、DHC東京より熱と電気、エネットより電気が供給されており、グランパークエネルギー管理センター内へ設置されているビルディングオートメーションシステム(BAS)でエネルギー管理を実施している。
同プロジェクトでは、既存のBASに加え、需要側と供給側との間で、熱と電気を最適に制御するための「スマートBEMS」を同エネルギー管理センター内に導入。NTT都市開発の協力を得ながら、オフィスビルのスマート化に向けて順次取り組んでいく。また、「スマートBEMS」を用い、熱についてはDHC東京と、電気についてはエネットとの情報連携を進め、デマンドレスポンスを含めたリアルタイムでの最適制御により、CO2排出量の削減を実現するとしている。具体的には、ビルにおける需要側と供給側で、ICTを活用してエネルギー需給情報を双方向にやり取りすることにより、ビル全体のCO2排出量(エネルギー消費量)を下げる制御を実施。建物のグリーン化(太陽光発電、LED照明導入等)や今後増加が見込まれる電気自動車等にも対応したインフラの整備を目指すという。
同社は今後、グランパークタワーでのスマート化プロジェクトで得られたノウハウを活用し、NTTグループと連携して段階的にオフィスビル分野のスマート化に向けて取り組むとともに、従来の建物グリーン化の枠を超えるICTを駆使したビルのスマート化、スマートコミュニティへと展開を図る方針だ。

住友林業がスマートハウスのコンセプトモデル住宅を横浜に開設
2010年11月26日
住友林業は、横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)が「環境技術ショーケース」として取り組みを集中させている横浜市みなとみらい21地区の総合住宅展示場「横浜ホームコレクション」に、スマートハウスのコンセプトモデル住宅を開設した。
同モデル住宅は、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅の実現に寄与すると期待されるCEMS(コミュニティエネルギーマネジメントシステム)やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を組み込んだスマートハウスで、それに組み込まれる設備機器の展示や解説などを行うもの。ライフスタイルに応じたさまざまなサービスを提供できる「暮らしの価値を創造する住まい」を目的としている。
YSCPは、経済産業省が募集した「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に採用されたプロジェクトであり、政府が2009年末に定めた「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」に基づく、日本型スマートグリッドの構築と海外展開を実現するため、横浜市と民間企業が地域のエネルギー効率化を図るさまざまな取り組みの総称。5年間の実証期間中、太陽光発電27万KW、HEMS4,000世帯、電気自動車2,000台を導入。できるだけ多くの市民に参加してもらい、みなとみらい21地区や港北ニュータウンなど実証実験エリアで64,000tのCO2排出量を削減する。HEMSとCEMSの連動が、無意識のうちに省エネ行動に結びつくことの実証が目的だ。
同社は、YSCPに協力し、アジア太平洋経済協力会議(APEC)開催に合わせて実施されたデモンストレーション展示で、会議参加者や報道関係者などに同社保有の技術を国内外に発信した。今後は、東芝と共同で、LCCM住宅の実現に向けて、最適なHEMSの開発を目指す考えだ。

東急建設が建物施工時のCO2削減量を一覧表示する
環境技術提案システムを開発
2010年11月26日
東急建設は、建物の施工時に適用される既存の環境配慮技術を体系的に整理し、 諸条件を入力するとそれぞれの技術についてのCO2低減量が一覧表示されるシステム「環境技術提案システム」を開発した。
同システムは、過去のデータベースをもとに提案技術を整理し、諸条件を入力すると、それぞれの技術についてのCO2削減量を一覧表示。その技術を採用した場合の追加コストも同時に表示され、費用対効果を勘案しながら提案技術の採用の可否を検討できるもの。CO2削減量算定には、過去の事例などから各項目について原単位を作成しておくことで、企画設計時などの少ない情報だけでも数量を想定し、CO2削減量を算定できるようにしたという。また、技術提案に関わる資料やデータは、既にデータベースとして構築し、同システムとの連携を可能にしたとしている。
同社は、外部足場養生シート型太陽光発電や井戸水利用など、これまでに提案してきた61項目の環境技術を整理。各技術については、必要なコスト、CO2削減量、主な採用実績といった情報をとりまとめた。同システムでは、延べ床面積、建築面積、階数、工期が「必要最低情報」となっており、この4つの情報があれば企画設計段階から利用可能としている。4つの情報を入力し、採用する技術を選択すると、CO2の削減量と追加コストの合計が表示される仕組みだ。
同社は、施工段階でも、環境や省エネルギーに関わる技術を提案する場合に、その技術によるCO2排出量がどの程度削減されるのかを、数値として明確にすることが求められており、過去に提案された環境技術を整理し、諸条件を入力するだけで、その物件に合わせた施工時の各技術についてのCO2削減量が一覧表示される同システムを開発したという。今後は、費用対効果の高い施工時の環境配慮技術をより早い段階から発注者に提示し、受注に結び付けていく方針だ。

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